陰謀論も捨てたもんじゃない
ライブに行く前日のボクの脳みそは、ほぼ使いものにならない。夢を見ている時とさほど変わらない状態なので、完璧な非日常モードになっている。
頭のなかは、明日に生演奏を聴けるエド・シーランとワンオクのことばかり。これがライブの楽しみでもあるんだよね。
だからこんな花を見ていると、いまのボクには彼らの曲が聞こえてくる。
花の種類はわからないけれど綺麗だよね。JR六甲道近くの歩道沿いの花壇に植えられていた。この花を見ていると、エド・シーランの『perfect』というバラード曲が浮かんでくる。大ヒット曲なので明日は本物を聴けるだろうな。
きっと今夜は、遠足に行く前の子供のように眠れないだろうな。困ったもんだwww
こんなボクと同じように、『あること』で頭がいっぱいになっている男の映画を観た。その人物の場合は音楽じゃなく、『陰謀論』だった。
『陰謀のセオリー』(原題:Conspiracy Theory)1997年のアメリカ映画。
タクシー運転手のジェリーは陰謀論者。世界は『やつら』が牛耳っていると思い込んでいる。だから毎日大量に新聞を買い込んで、記事を追って陰謀の痕跡を探す。ある種の神経症で、自宅へは毎日ちがうルートで戻り、鍵は何重にもなっている。
冷蔵庫にも鍵がかけられていて、なかの食料品にまで鍵がかかっている。そんな典型的な被害妄想であるジェリーを、メル・ギブソンが熱演していた。他の映画はかっこいいヒーローを演じていることが多いけれど、この映画前半のメル・ギブソンはまるで別人。
『マッドマックス』のころから大好きな俳優さんだけれど、こんな演技もできるのかと感心して見ていた。それほどジェリーは変人だった。だけどそれには理由があった。
ジェリーはアメリカ政府が極秘にプロジェクトを組んだ暗殺者の生き残り。特殊な訓練を受けているが記憶を消されている。簡単にいえばメル・ギブソン版の『ジェイソン・ボーン』という雰囲気。あっ、でもこの映画のほうが公開は先だよねw
彼の潜在意識には、暗殺者として陰謀に関わっていたことがインプットされている。だから陰謀論に囚われているのだろう。だけど記憶を取り戻したことを恐れた組織から、拷問を受けてしまう。そのことによって、彼の暗殺者としての能力も復活する。つまりめちゃ強くなって、いつものメル・ギブソンが帰ってくる。
そこに関わってくるのがジュリア・ロバーツが演じるアリス。彼女の父は暗殺されていて、その事件にジェリーが関わっていた。アリスは父を殺したのがジェリーでないかと疑うけれど、やがて真相が明らかにされるという物語。
サスペンスアクション映画であって、主人公の二人のラブストーリーでもある。なかなかよくできた映画だった。ラストでジェリーは死んだと見せかけて、実は証人保護プログラムで生きていることがわかる。
そしてアリスもあるアイテムを通じて、彼が生きていることを知る。いずれ二人は結ばれるだろう、と思わせて終わるのがいいよなぁ。
結果的にジェリーとアリスを救ったのは、ジェリーが取り憑かれていた陰謀論のおかげだった。もし陰謀論を信じていなければ、もっと早い段階で殺されていただろう。ボクは陰謀論が大嫌いだけれど、フィクションの世界では絶対に必要だと思う。そう思うと陰謀論も捨てたもんでじゃないよね!
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