SOLA TODAY Vol.936
ボクが20代のころ、詐欺まがいのことをしている集団と接触したことがある。きっかけはスピ系の友人。面白いセミナーがあるからと誘われて、京都市内のホテルの宴会場へ行った。
基本的に自己啓発セミナーで、教祖的な人物が演者だった。大勢の人が参加しているけれど、どうもサクラっぽい。講演のあとに抽選会があって、3名ほど限定で過去の講演のカセットテープがもらえる。もちろんボクは当選した。これだけでヤバいのがわかるよね?
そのテープは聞いていない。どうにも胡散臭かったから。それでもその集団はあきらめない。後日になって、大阪の中之島公会堂でのセミナーに誘われた。今度はもっとストレート。自宅にいながら、大金が稼げるという内容だった。
ボクは会計事務所をやめたときで、次の仕事を探していた。だからこんな情報を持ち込んできたのだろう。紹介してくれた友人は、天河神社へ行くのにお世話になった人。だから義理立てがあったので、もう一度だけのつもりで参加した。
内容は完全なマルチ商法だった。知人に浄水器を販売するというもの。経理にくわしいボクにこんな話をしても無駄なのに、その集団は必死で解説。講演後も福島のホテルロビーに誘われて、しつこく勧誘を受けた。まぁ、最初から相手にする気はなかったので、適当にあしらったけれどね。
それから30年近くが経過して平成が終わろうとするいまの時代でも、形を変えて同じようなことが行われている。
これも手口は同じ。友人を介してカモを探すというもの。先物取引で儲けることのできる情報が、USBメモリーに入っている。それを49万円で買えという勧誘だった。すぐに元が取れるので問題ない。金がないなら学生ローンで借りたらいい、という悪質なもの。
知人を紹介すると5万円のバックマージンがあるのも、どこかマルチ商法に似ている。そしてボクの場合と同じく、友人に対する義理立てを悪用して断りにくい状況を演出している。
狙われるのは20歳を過ぎた学生。なぜなら未成年者取消ができないから。さらに49万円という価格は、学生ローンの限度額が50万円だから。証券会社に口座を持たすんだけれど、そのときには架空の履歴で口座を開かせることが多い。
その理由はあとで脅しをかけるため。嘘をついて口座を開いたのだから犯罪になる。いまさらあとに引けない、と恐喝する。もちろんUSBに記録された内容で先物取引に成功することはまずない。手元に借金だけが残ることになる。
大学生になって親の元を離れ、この4月から一人暮らしをする人は多いだろう。そして2年もして20歳になると、一人でもやっていけるような気分になる。そんなときに、こういう詐欺に引っかかりやすいんだろうね。
身近に20歳前後の知人がいる人は、この記事を見せてあげるほうがいいかも。ボクのような疑い深い人間でない限り、コロッとだまされてしまうかもしれないから。犯罪の手口を知っておくことは大切だと思う。自分が悪用しなければねwww
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