SOLA TODAY Vol.938
性暴力に関して、かなりショッキングな判決が出ている。最悪な結果だと思うけれど、その事件を裁く司法の立場になると強く言えない。
優柔不断なボクとしては、どうすればいいのかわからない状態。まぁ優柔不断だから小説を書いているんだけれどね。
この事件の性暴力は、父親が娘に行ったもの。同じ性犯罪でも、他人によるものより嫌悪感が強い。
古い話になるけれど、ボクが高校生時代に通っていたお好み焼き屋さんがあった。学校を途中で抜け出して、友人たちとそこで昼ご飯を食べる。お好み屋を経営していたのは30代後半くらいの女性で、その人からショッキングなことを聞かされたことがある。
その女性の初体験は実の父親だった。このリンクの事件と同じで、父親にレイプされている。好き勝手に生きていた高校生のボクにとって、社会の暗部を目の前に突きつけられた気分だった。
話を戻すと、この裁判は先月の26日に無罪の判決が出ている。娘が性行為に同意していないと裁判官は認めたのに、父親は無罪になっている。それは日本独自の『厳格な要件』があるから。
同意をしていないとしても、被害者が逃げられる状況なら罪には問えない、というもの。肉体を拘束されていたり、命に関わるような脅しを受けていない限りは、同意の有無に関係なく性暴力が無罪になる可能性が高いらしい。
これは女性にとって脅威でしかない要件だろう。この判決が問題視されているのは、その『厳格な要件』が親子関係に適用できるかどうかと言う部分。客観的に逃げられる状況であっても、親子であることによって不可能な場合がある。
この記事では別の女性のインタビューが紹介されている。高校を卒業して家を出るまで、父親から性的暴力を受けていた女性が答えている。逃げ出したかったけれど、小学生や中学生の彼女には無理だった。食べさせてもらわないといけないし、高校の授業料も出してもらっている。
自分が抵抗すれば、兄弟たちにも悪影響が及ぶことを考えたりもしたらしい。他人とちがって、親子には目に見えないしがらみがある。逃げたくても、逃げることができない状況で暴力を受けている可能性が高い。
だけど現在の日本では、性暴力に関して『厳格な要件』が重視されている。その理由は冤罪を防ぐため。同意していないということだけで性暴力が有罪となったら、女性が男性をおとしいれることが可能になる。実際に似たような事件が起きている。
性行為に至った段階では同意していても、その後に二人がもめて同意していないと言われる可能性だってある。男性はそれだけで犯罪者になってしまう。これは本当に難しい問題。公平に裁くという観点において、この『厳格な要件』』が適用されてきた背景は理解できるところもあるからね。
ヨーロッパでは性暴力に関してきびしい。女性の同意がなかったというだけで、男性は有罪となる場合がほとんどらしい。それほど女性に対する暴力が多いんだと思う。悲しいことだけれど日本の司法も、性暴力に関して『厳格な要件』を見直すべき時代になっているのかもしれない。
何が正解なのか、ボクには答えを出せないけれどね。とにかく非道な性暴力を世界から撲滅したいと強く望んでいる。
ちなみにこのブログはパソコンで書いている。昨日は終日アウトだったけれど、今日になってログインできた。マジでわけがわからんわ〜!
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。