ホラー作家が娘に書いたファンタジー
親が子供の幸せを願う気持ちは、想像できるけれど経験がないのでボクに実感はない。飼い猫に対する愛情ならわかるけれどwww
だから小説や映画という物語が存在する。それらのストーリーを通じて、間接的に親の愛を知ることができる。そしてテレビ番組でも、そんな感情を疑似体験できることがある。
先週の『モニタリング』という番組で、失恋した18歳の娘を父親がなぐさめるという企画があった。もちろん失恋は嘘で、娘は仕掛人。だまされているのは父親だった。
そのお父さんがとても素敵で、ボクは本気で感動してしまった。娘を思う父親の気持ちって、こんなに繊細でピュアなんだと感心した。バラエティ番組でも、こんなことを感じさせてもらえることがあるんだね。
そして昨日読んだ小説も、同様に父が娘を思う気持ちによって書かれたものだった。
『ドラゴンの眼』上巻 スティーブン・キング著という小説。
何も知らずに読み始めて驚いた。だって架空の国が出てくるファンタジーだったから、ホラー作家として世界的に名を成した著者が、こんな純粋なファンタジーを書くなんて。それで少し調べてみて、その理由がわかった。
スティーブン・キングにはナオミという娘がいる。ナオミが父の小説が嫌いで読まないらしい。そりゃそうだよね。彼の小説は子供にはかなりキツイ。残虐だしおぞましい物語が多い。先日読んだ『ペット・セマタリー』なんて子供に読ませるのは悩んでしまう。
ということでスティーブンは、娘に読んでもらうためにこの小説を書いたらしい。もうひとり少年がいる。スティーブンと共著を出版したことがあるピーター・ストラウブの息子にベンという少年がいる。この物語はナオミとベンのために書かれたそう。
面白いことにベンの父の名であるピーターという王子が主人公。そして下巻になるとベンとナオミという名前の登場人物が出てくるらしい。きっと二人の子供たちは喜んだろうね。
物語はとてもシンプル。フラッグという魔法使いが、王のローランドを殺し、王子のピーターに濡れ衣を着せて塔に幽閉する。そして弟のトマスを王位につけて王国を引き続き自由にしようとする。なぜならトマスは少し愚鈍なので、あやつりやすかったから。
ピーターはとても頭が良く勇気もある。だから黙ってはいない。上巻の最後では一発逆転の計画を立てたようで、行動に出たところで終わっている。
ちなみに悪役のフラッグは、『ダークタワー』シリーズや『ザ・スタンド』に登場したフラッグと同一人物。スティーブン・キングの小説には、何度も悪魔の化身として登場する。ユニークなキャラなんで、ボクは大好き。
今夜から下巻を読む。どうなるのか楽しみ。子供向けだけれど、大人だって十分に楽しめる。主人公のピーターは、ドラゴンの血を引いているみたい。そのあたりが影響してくるのかな? 子供みたいにワクワクしている。
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