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高羽そらさんインタビュー

諦めない気力と直感による機動力

ボクがいまの神戸のマンションを購入するとき、不動産会社の担当女性に言われたことがある。

 

「慎重、かつ大胆ですね!」

 

これはボクの信条でもある。石橋を叩くほど慎重なところがあると同時に、ここだという直感を受け取ったら大胆に動く。まったく躊躇なんてしない。

 

この感覚は不動産を購入するときでも、スニーカーを買うときでも同じ。最初はとにかく慎重に考える。その段階が過ぎると、直感をひたすら待つ。

 

直感がこないと、結局は迷い続けることになる。だから我が家の家訓として、『迷ったらやめる』というものがある。逆に言えば、直感が来たらその場で即決する。だから『慎重、かつ大胆」だと言われるんだろうね。

 

まぁ、それで失敗することもあるけれど、おおむね満足のいくものになっている。慎重と大胆は、静と動のように相反する性質を持っている。だからこそ効果的なんだと思う。人生における決断において、緩急をつけることが大切。どちらかに偏ってしまうと、後悔することが増えるような気がする。

 

そういう意味では、最終的に鍵をにぎっているのは『直感』だということになる。準備を怠りなくしつつ、直感の合図を待つ必要がある。まさにそんな状況が見事に描かれた小説を読んだ。

 

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『ドラゴンの眼』下巻 スティーブン・キング著という小説。著者が娘のために書いたファンタジー小説の完結編を読了した。上巻の感想については、『ホラー作家が娘に書いたファンタジー』という記事に書いているので参照を。

 

父親である王を殺した濡れ衣で、城の塔に閉じ込められた王子のピーター。それはフラッグという魔術師にハメられたから。ピーターは失意の思いを抱えつつも、生きることを選択する。そして法務長官に通じることで、あることを実現させる。

 

それは母の形見だったドールハウスを牢に持ち込むこと。さらに3食の貧しい食事に、布製のナプキンをつけること。このナプキンがこの物語では重要なアイテムとなっている。

 

まだ母がフラッグに殺される前、幼いピーターは食事にナプキンを使うことを母から教えられた。なぜなら貴族たちは贅沢に慣れていて、ナプキンを使う礼儀を失っていたから。そんな大人になってほしくない、という母の願いだった。ピーターはそれ以来、食事にナプキンを欠かしたことがない。

 

だから牢に入れられても、その要求が怪しまれることがなかった。なんとピーターはそのナプキンから糸を取り出し、ドールハウスのおもちゃの織り機でロープを作ろうとしていた。バレたらいけないので、一度の食事で数本の糸しか取れない。

 

なんと5年もの月日をかけて、塔から地上まで届くロープを織り上げた。このあたりは著者の別の作品である『ショーシャンクの空』に通じるものがあるよね。この諦めない気力は尋常ではない。想像するだけで気が遠くなってしまう。

 

ところがドラゴンの魂を受け継いでいるピーターには、直感による機動力もあった。いくつかの偶然がかさなり、親友であるベンとナオミの助けを得ることができる。ちなみにナオミは著者の娘と同じ名前。

 

それまで5年もかけてロープを作ってきたのに、脱出するタイミングは直感によって即決している。フラッグが脱走計画に気づいて、もう少しで首をはねられる寸前での行動だった。それまでの慎重さが信じられないほど、大胆な行動に出る。そしてそんな彼を救ったのが、またまたナプキンだった!

 

それについて知りたい人は、ぜひ読んもらえばと思う。スティーブン・キングの伏線の張り方にさすがだと思った。いっさいの無駄がない。子ども向けに書かれたものだけれど、めちゃくちゃ楽しめる作品だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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