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高羽そらさんインタビュー

自殺志願者の本心

JR神戸線で3〜4日連続で人身事故が起きているそう。今日も午前中に起きた人身事故で列車の運転が見合わせられていた。

 

当然ながら大勢の人に迷惑がかかるし、遺族には多額の賠償金が請求されることになる。自殺した本人だけじゃなく、周囲の人の人生も大きく狂わせてしまう。

 

だけどそんなことを考えたり言える人は、ボクも含めて自殺志願者じゃないから。列車に飛び込む人は、そこまで心の余裕がないと思う。自分の行動によって他人に迷惑をかけるという客観的な判断ができるならば、自殺を思いとどまる可能性のほうが高いと思う。

 

本当のところは本人に訊かなくてはわからないだろうし、10人いればすべて答えがちがうだろう。つまりボクたち他人は、想像の範囲でしかその人たちの心のうちを考えられない。

 

自殺志願者の本心はどうなのだろう? そのことについてかなり深く踏み込んだ小説を読んだ。

 

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『十二人の死にたい子どもたち』冲方丁 著という小説。

 

今年だったかな? 映画館に行ったときに、この小説を映画化した作品の予告編を見た。それで少し興味を持ったので、まずは原作を読んでみることにした。

 

冲方さんの他の小説はいくつか読んだことがあるけれど、この作品は著者の初めてのミステリーだった。そしてとてつもなく面白く、ボクは最後まで夢中になってむさぼり読んでしまった。

 

自殺サイトに登録することで、廃病院に集まってきた12人の子供たち。14歳〜18歳くらいの年齢だった。サイトの運営者であるサトシによって、厳正な審査を受けて選ばれた12人だった。その目的とするところは安楽死。

 

ところが指定された時間に集まると、すでに一人の遺体がベッドに寝かされていた。誰かが先に自殺を決行したんだと誰もが思った。だけど12人で死ぬはずだったのに、このままでは13人になってしまう。厳選された12人のはずなのに。

 

参加者の1人がそのことに違和感を覚えたことで、議論がスタートする。そしてその遺体は自殺ではなく、殺人だという結論に至った。そうなるとこの中に犯人がいるはず。そしてその目的も気になる。すぐに安楽死する予定だった12人は、犯人探しに時間を割かれることになる。

 

とてもよくできた小説で、かなりオススメ。だから犯人が誰で、この12人の自殺がどうなるかという答えは明かさない。知らずに読むほうが、圧倒的に面白いから。とにかく驚く結末が待っている!

 

この小説の素晴らしいところは、自殺志願者たちの本心が明らかになっていく後半部分。フィクションなので現実の自殺とはかけ離れているかもしれない。それでもイジメ、病気、親による虐待、さらには芸能人としての自分に苦しむ女性までいる。このあたりの心理描写が実に見事。

 

こうなると映画が観たくなった。今年に上映されたばかりだから、しばらくはレンタルにならないよな。でもぜひとも観たいと思う。だけどこの作品の映画化は、相当難しいと思う。

 

小説だからこそ12人の議論が引き立つ。でもこれを映像で表現するとなると、俳優さんはレベルの高い演技を要求されるだろうし、脚色も苦労することになると思う。それだけに、どのようなできになっているのか楽しみでもある。期待はずれじゃなかったらいいなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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