高羽そらさんインタビュー

ワンネスが知覚できる言葉

映像が有するポテンシャルの高さに圧倒されることがある。うまく言語化できないけれど、見ているだけで感動の涙があふれてくる映像を見た。

 

イギリスのシンガーソングライターであるジェイムス・アーサーのリリースされたばかりの新曲。『Falling like the Stars』というタイトルのミュージックビデオを見て感動した。

 

ボクは彼の声が大好き。しわがれたようなクセのある声なんだけれど、ジェイムスの歌声を聴いているだけで癒される。そのうえこんな映像を見せられたわけだから、深夜にポロポロと涙を流してしまった。よく意味がわからないけれど、感動することってあるよね?

 

 

 

もちろん映像だけでなく、言葉も同じような魔法を有している。ボクはある小説を読んで、言葉にできないほど感動してしまった。何がどうだと説明できないけれど、心が激しくゆさぶられてしまった。

 

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『水に似た感情』中島らも 著という小説。

 

関西在住でボクの年代の人なら、中島らもさんを知っている人は多いと思う。2004年に52歳で亡くなったときはかなり驚いた。でも同時にさもありなん、という思いも感じた。それほど破天荒な生き方をされている人だったから。

 

らもさんに肩書きなんて不要。小説家、劇作家、随筆家、放送作家、ラジオパーソナリティ、ミュージシャンという複数の顔だけでなく、俳優までされている。兵庫県の出身で、あの有名な灘中学校に150人の全合格者中8番目の成績で入学した天才。

 

彼がテレビに出演されているときの言葉がいまでも心に残っている。

 

「自分は天才だと思っていたけれど、灘中学校に入ったら本物の天才がうじゃうじゃいたわ」と言っておられた。こんなマルチな才能を持つらもさんが負けたと思うほとの秀才が集まっている学校なんだね。

 

この小説はほとんどがフィクションである、とあとがきで書かれている。モンクという名の作家が、テレビ番組のロケでバリ島に行った。そこでの経験と、再びバリ島を訪れたことが書かれている。

 

なんども吹き出してしまうほど面白い文章なんだけれど、小説としてハラハラドキドキの展開があるわけでもない。視点も突然移動するので、語り手を確認することが何度もあった。

 

それでも読んでいるあいだ、ずっとさわやかな風が心のなかを吹き抜けているような感覚があった。モンクはアル中だったり、ドラッグにおぼれたり、躁うつ病で意味不明な行動をとったりと、まさに著者そのまま。それなのに、なぜか心地いい。

 

ボクが感動したのは、バリ島の老師であるテジャが言った言葉。

 

『人間は島だ」

 

この短い言葉に、『すべてはひとつである』というワンネス思想が語られている。ラスト近くにモンクがこの言葉について考える場面を引用させてもらう。

 

『そのままずっと潮が引いていって、海水がなくなってしまったら、どうなるんだ。バリ島もロンボク島もスンバワ島も『島』ではなくなる。地続きのひとつの大地になる。岡か山があるだけだ。もう孤島ではない。孤島ではないんだ。人間もそうなのではないか』

 

ボクはこの場面を読んで、思わず涙ぐんでしまった。

 

そしてらもさんは、あとがきでこの小説のテーマについて触れておられる。海の魚の群れが、なぜ一斉に向きを変えることができるのが不思議とのこと。もしかしたら人間が知ることのない情報伝達手段が魚にはあるのではないか、と考察を進められている。

 

人間にはなぜそうしたものがないのか。

人間はなぜ言葉を使ってしかわかりあえないのか。

人間はなぜ裸になって抱き合わないとわかりあえないのか。

人間はなぜ『個』に分断されているのか。

 

これがこの小説のテーマとのこと。とても素晴らしい小説だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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