SOLA TODAY Vol.966
人間がずっと幸せでいるために必要なこと。それは絶対的な『何か』を幸せの基準に置くこと。絶対的であるがゆえ、何があってもゆらぐことはない。他人が見れば不幸に思えることでも、当人にとっては大したことじゃなかったりする。
だけどそんな絶対的なものを手にできる人は、ほとんどいないだろう。それこそ悟りを開いて真我を見出したような人が達する状態だからね。
つまりほとんどの人は、相対的な基準によって幸せを感じている。言いかえれば、自分と他人との比較によって。だから周囲の人で自分の幸せ度が著しく変動する。『人の不幸は蜜の味』というのは的を得た言葉だと思う。
それでもまだ昔はその相対性をコントロールしやすかった。世界が狭いので、接触する人間が限られていたから。ところが現代はちがう。引きこもりのような人でも、ネットを通じて他人の状況が目に入る。それゆえ、自分の幸せ度をコントロールするのが難しくなっているのだと思う。
ソーシャルメディアはポジティブなもののはずなのに、メンタルヘルスを崩壊させてしまうのは、なぜ?
とてもいい記事だった。SNS疲れをしていると感じる人にはオススメだと思う。
ネットが普及して便利になった反面、他人の情報がこと細かに目につくようになった。芸能人等の著名人だけでなく、インフルエンサーと呼ばれる人や、一般の人でも自分のことをネットは発信する。
承認欲求の渦がネットをかけめぐっている状態だから、他人の幸せそうな情報ばかりが目についてしまう。ほとんどの人は絶対的な幸せの基準を持っていないわけだから、自分の現状と比較して落ち込むことになる。
こんなことを書いているボクだって、同じようなことになっていることがある。誰がが文学賞を受賞したとか、本が出版されるとか、重版が決まったとかいう情報を目にすると、素直におめでとうという気持ちになれない。嫉妬や自分に対する失望感にとらわれることがある。
逆にボクは通過したのに選考に落ちた人が嘆いている記事を読んで、優越感を覚えたりする。まさに相対的な幸せ度がジェットコースター化しているよね。
でもこの記事ではネットの情報に対する適切な接し方が書かれている。なるほどなぁと感じた。抜粋してみよう。
『ソーシャルメディアとは栄養とかなり似たようなものだと覚えておく必要がある。食べたものが自分の体を作る。フィード((feed=食べ物を与える)と呼ぶのは、それなりの理由があるからなのだ。栄養を無視してファストフードをお腹いっぱい詰め込んでいたら、数日後には倦怠感を感じて少し落ち込んでくるだろう。
自分の人生を実際より悪いものに感じさせるとわかっているコンテンツばかりに夢中になっていると、それとまったく同じ結果になる。しかし、自分をインスパイアして気分を上げ、何かを学ばせてくれるアカウントで自分のフィードをいっぱいにすれば、ソーシャルメディア体験のすべてが変わる』
ネットの情報は食べ物なんだ。そう思えば理解できる。添加物や発がん性のある食べ物を避けるように、自分にとって益のない情報を避ければいいだけ。食べる必要はあるけれど、食べるものはきちんと選ぶべきだということだね。
とてもわかりやすい説明だと思う。そしてもうひとつ忘れてはいけないことが書かれてある。幸せを発信している人が、すべてにおいて幸せじゃないということ。幸せそうに見える人でも、実は辛いことや絶望するようなことを抱えていたりする。
ただそれを隠しているだけ。誰でも外面は幸せそうに装うからね。だからそんな他人の幸せな一面だけを見て、自分を不幸にしないほうがいいということ。なんだかホッとするものを感じさせてもらえる、素敵な記事だった。
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