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高羽そらさんインタビュー

決して忘れてはいけない人たち

ボクたちが普段目にしているものは、それらの一面でしかない。注目を引く重要度の高いものやプロパガンダとして重視される部分が、どうしても強調されてしまう。だから他に起きていることは、知られないまま忘れ去られてしまうことが多いと思う。

 

先日クリーン・バンディットのライブに行ったとき、退場待ちのあいだ終演後の舞台をしばらく見ていた。ライブハウスなので、ドーム公演等に比べたら大掛かりな装置はない。それでもこんなに裏方さんがいたんだと驚くほど、大勢の人が舞台の撤収に関わっておられた。

 

ボクだってそんな裏方の仕事を経験している。京都の祇園甲部歌舞練場で働いているときは、4月1日から30日まで行われる『都をどり』の運営スタッフのひとりとして働いていた。だからどれほど多くの人が公演に関わっているか、身を以て知っている。

 

そんな裏方的な仕事が、エンタメだけじゃないのは当然。どのような世界にも目立たない存在の人が重要な役割をになっている。ボクはある映画を観て、こんな裏方がいたのを初めて知った。それは第二次世界大戦での出来事。

 

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『ミケランジェロ・プロジェクト』(原題:The Monuments Men)という2014年のアメリカ映画。ジョージ・クルーニーが製作、脚本、監督、そして主演までこなしている作品。

 

第二次世界大戦の終戦が近い1943年、ある極秘プロジェクトが発動した。それはナチスによって略奪された美術品を取り戻すというもの。それから終戦まで、このプロジェクトに関わった人たちの活躍を描いた作品。実話に基づいて作られている。

 

キャストがすごい。ジョージー・クルーニー、マット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ケイト・ブランシェットという豪華メンバー。

 

ボクが頭に思い浮かべたのは、『オーシャンズ11』という映画。その作品と同じようにコメディ的な要素もあって、とても魅力的な映画に仕上がっていた。

 

普通は戦争に勝てば、そんなプロジェクトを組まなくても美術品は回収できそうな気がする。ところがナチスは普通じゃない。大量の美術品を探索されにくい場所に隠し、もしヒトラーが死ねばすべてを破壊するべし、という『ネロ司令』というものが出されていた。

 

そのうえ同じくドイツを攻めているソ連が、戦利品とするために世界の美術品をナチスから奪い取ろうしていた。つまり完全な終戦までに片をつけないと、本来の持ち主である個人の収集家や美術館に返品することができない。だからプロジェクトに関わったメンバーは、どうしても戦争の前線に向かわざるを得なかった。

 

だけど前線の将校はそんなプロジェクトなんて無視する。人間の命が関わっているのに美術品なんてどうでもいい、と協力することを拒む。だから命をかけて前線に潜入して、ナチスの隠し場所を探索するしかなかった。

 

もちろん映画用にかなり脚色されているので、実在の人物はボカされている。シチュエーションも変えられているだろう。だけど戦争中に命をかけて人類の文化を守ろうとした人がいたのは厳然たる事実。ボクたち現代人は、この人たちの存在を決して忘れてはいけないと思う。

 

日本や海外の美術館で優れた芸術作品に触れることができるのは、命をかけて美術品を取り返した人たちがいたから。最悪の場合、それらのほとんどが灰になっていた可能性がある。裏方と呼ぶのは失礼だと感じるほど、有意義で勇気ある行動だったと思う。

 

詳細な事実はどうであれ、この人たちの存在を知らしめることだけでも、この映画は価値のある作品だと思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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