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高羽そらさんインタビュー

視点を変えると世界は激変する

人間にとって慣れることは必須能力でもある。習うより慣れろ、という言葉はまさに真実を突いている。それは物事をスムーズに進めるため、原始時代から人間が身につけてきた能力だろう。

 

だけど同時に、慣れは思考停止を招く要因にもなる。時代や社会は常に変化しているのに、慣れにどっぷり浸かっていると新しいことから取り残されてしまう。だからあえて、人間は慣れを打破する行動を取ることも大切だと思う。

 

ボクがよくやるのは、普段歩いている道を変えること。決まったコースしか歩かないと、慣れによって新しいことに目がいかない。でも定期的に道を変えることで、新しい気づきを得ることがある。あるいは同じ道でも、往復で方向を変えるだけで新しい発見があったりする。

 

ちょっと視点を変えるだけで、世界が激変することだってある。昨日ボクは、ある小説を読んでそんな体験をした。

 

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『新編 風と共に去りぬ レッド・バトラー①』ドナルド・マッケイグ著という小説。

 

『風と共に去りぬ』というのはマーガレット・ミッチェルののベストセラー小説で、どちらかといえば映画で知っている人のほうが多いだろう。ボクも映画を観てこの作品が大好きなり、それから原作を読んでいる。

 

マーガレットは生前に続編をまったく書かなかった。要望はあったけれど、その気がないのはなんらかの理由があったのだろう。彼女の死後、遺族は中途半端な続編が出されることを恐れ、慎重に検討した結果アレグサンドラ・リプリーという作家に『スカーレット』という続編の執筆を許可している。

 

当然ながらスカーレット・オハラの大ファンであるボクは、この続編もすべて読破している。賛否両論のあった作品らしいけれど、原作では夫のレット・バトラーと悲しい別れを経験したスカーレットが、レットと和解してともに人生を歩むところで終わる。だからボクはこの作品が大好きだった。

 

そしてさらにマーガレットの遺族が認めた作品がこの『レット・バトラー』という小説。タイトルのとおり、スカーレットではなくレットが主人公になっている。文庫本で全6冊あるうち、最初の第1巻を試しに読んでみた。

 

いやいや、マジでいいよ。読んでよかった。レットという人物は、映画を観たことのある人ならわかると思うけれどとても魅力的なキャラ。自由奔放でチャラい雰囲気もあるけれど、商才はあるし勇気もある。娘を溺愛する姿も強く印象に残っている。

 

そんなレットの視点から書かれたが『風と共に去りぬ』がこの作品。第1巻はレットの少年時代から始まる。大きな農場の長男で、天才的な頭脳を持つ少年だった。だけど南北戦争前の南部の人間とちがう精神を持っている。

 

奴隷である黒人と友人づきあいをするどころか、彼らと一緒に働くような人間だった。奴隷制度に反感を持っていて、ことごとく父と対立する。奴隷を不当に殺した男に決闘を申し入れるほどで、結果として親から勘当される。だけど無一文で放り出されても、商才のあるレットは大きな財産を築く。いやいや、やはりカッコええわ。

 

最高だったのは、この第1巻の最後。この段階で『風と共に去りぬ』の始まりとつながる。つまりレットがスカーレットと出会う場面。このシーンがかなり詳細に書かれていて、なぜレットがあのパーティーに行ったのか、そしてスカーレットの第一印象はどうだったのか、アシュレーをどう思ったかなどがわかる。

 

あの映画の冒頭のシーンを、まったくちがう視点で楽しむことができた。そして彼がこの時代のアメリカについて考えていたことも理解できた。映画でのレットの異様にも見える行動の動機が、この小説で見事に記されている。ファンにとってはたまらないよね。

 

第2巻ではアシュレーへのあてつけで結婚して未亡人になったスカーレットに、レットがわざと再会するシーンから始まる。映画ではスカーレットが実家の税金の支払いに困ってレットに接触したようになっているけれど、実はレットから彼女に近づいていたという設定になっている。まるで新しい映画を観ている気分になった。

 

興奮してついつい書き過ぎてしまった。試しに読むつもりだったけれど、どうやら第6巻まで読むことになりそう。楽しみだなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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