SOLA TODAY Vol.979
先日、九州で悲惨な交通事故があった。80歳の男性が運転する車が道路を逆走しながら時速100キロメートルで暴走して、複数の車を巻き込んで大破したという事故。重傷者も出ているし、運転していた車に乗っていた老夫婦が亡くなっている。
状況から考えるに、いまのところはアクセルとブレーキの踏み間違えというものではないらしい。おそらく運転していた男性は意識を失っていて、車をコントロールすることができなかったのだろう。
同乗されていた奥さんの気持ちを想像すると、気の毒すぎで言葉にならない。運転している夫が意識をなくして車が暴走しているなかで、何にもできずにパニックになっていただろう。二人とも亡くなっているので、そのときの状況はわからないけれど。
せめて助手席から車を停めることができたならば。この事故を知ったとき、そんなことを思った。自動車学校の車じゃないんだから、そんなことは無理だよなぁと考えていたとき、こんな記事を見つけて驚いた。
朗報です! 助手席から操作できる緊急停止機能付き車両が普及し始めている。活用を!
なんと、すでにそんな車が市販されていた。それはドイツのボルボが販売している自動車。さすが安全をウリにしている会社だよね。
運転手になんらかのトラブルがあって車が暴走したとき、運転手と助手席のあいだにあるパーキングブレーキを引き続けるだけ。するとアクセルが自動で戻り、ブレーキがかかって車が停止する。電気スイッチなので強い力はいらないから、高齢者の人でも問題なく使える。
これは知らない人が多いだろうなぁ。この記事を書いている著者の車についている装備なんだけれど、その人もまったく知らなかったとのこと。つまり販売会社が説明していないので、マニュアルを隅から隅まで読んでいる人しか気づかない機能だということだよね。
同じドイツのBMWにも装備されているそう。日本車に関しては調査中のことだけれど、すでに付いているか、装着が検討されているはずとのこと。だとしてもこれは問題ありだよね。
この機能を使おうと思ったら、多少の練習が必要だろう。でないと、とっさのときに使うことなんて無理。だけどCMにもなっていないし、販売会社も説明している様子がない。こんな状況だと宝の持ち腐れになってしまう。
いずれ自動運転の時代が来るだろうけれど、当面は人間がハンドルをにぎることになる。だけどこれだけ悲惨な事故が続いている現状において、保安部品に関してもっと徹底した情報開示が必要だと思う。行政が圧力をかけて、メーカーに義務づけるくらいの強硬措置が必要だろう。
この記事にも書かれているけれど、ボルボのような装備が付いていなくても、暴走したときに助手席の人がシフトレバーを『N』(ニュートラル)にするだけで、とりあえず加速は防げるだろう。アクセルを踏み続けるより被害を抑えられる可能性が高くなる。
だけどこれだって大勢の人に知ってもらう必要があるし、いきなりの操作は無理がある。官民一体となって、緊急時の対応をマニュアル化するようなことが必要な時代なんだと思うなぁ。
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