Pay決済崩壊の兆しかも
7Payやっちゃったねぇ。7月1日のリリースからわずか5日ほどで、わかっているだけで約900人、約5500万円の被害が不正アクセスによって発生した。
PayPayでもリリース当初はトラブルが続発していたけれど、今回の7Payはかなり深刻。不正チャージされてあっという間に消えてしまった金額も含めると、前代未聞の被害額になるかも。ただし、確認の取れない被害が多い気がするけれどね。
ニュースを見ている限り、設定画面に意味不明な連絡先メールアドレスの入力があったり、2段階認証がスルーされていたりと、システム設計上の甘さが露呈しているのは事実。だけどその背景にある問題は、もっと根が深いものかもしれない。そのことについて書かれた、とてもわかりやすい記事がある。
その問題とは、Pay決済ブームに乗り遅れまいとする企業側の姿勢。いくつあるのか考えるのが面倒なほど、QRコード決済が乱立している。セブンイレブンという最大のコンビニを抱えるこの会社にとっては、その波にやや乗り遅れている感があった。だから焦っていたんだろうね。
自社でエンジニアを育てることなく、システムの構築を他社に委託したらしい。今年の7月にはどうしてもローンチしたいから、なにがなんでも納期を守らせたことだろう。だから請け負った会社も全力で取り組んだはず。
ところがこの記事にも書かれているとおり、こうしたシステムは運用開始がゴールではない。顧客の利用状況をチェックしながらシステムを再構築したり、プログラムのバグに対応していかなければいけない。
自社エンジニアを抱えている会社なら、サービス開始とともに死に物狂いのチェックが入る。なぜなら会社の業績に直接関わってくるから。だけど外注先の会社にとっては、納期に間に合わせることがゴールのようなもの。だからそこまで真剣にリリース後のチェックを行わない。この記事はそこに7Payの致命的な欠陥があったと論じている。
ボクもそう思うなぁ。決済システムをリリースするならば、優秀なハッカーを探してホワイトハッカーとして契約するべきだろうね。そうすればシステムの脆弱性が明らかになり、悪質なハッカーであるクラッカーたちの攻撃に対応できたかもしれない。
そしてボクが感じるもっと深い問題がある。それはPay決済の乱立。あまりに数が増えすぎて、結局ボクはどのシステムも利用していない。有名なブロガーであるちきりんさんが昨日のTwitterで、Pay決済に関する本質を見事に指摘されていた。
QRコード決済が便利だと思って使っているのではなく、割引や還付があるから利用しているだけだろう、という意見。
たとえばセブンイレブンならすでにnanacoという電子マネーが稼働している。あれだったらカードを差し出すだけで決済が終わる。でも7PayはQRコードを読み取ってから金額を確認してもらうという手間が増える。はっきり言って便利じゃない。
ボクも最初はQRコード決済の拡散を支持していた。店舗側としてはQRコードを置くだけで済むから。でもこれだけ乱立して、さらにシステム的な問題があると首をひねりたくなる。ICを搭載したICOCA(関東ではSuicaかな?)やクレジットカードのほうが、キャッシュレスのシステムとしてわかりやすくて使いやすいものね。
キャッシュレス化は促進するべき。でもQR決済は微妙な雰囲気になってきた。今回の7Payのトラブルは、Pay決済崩壊の兆しかもしれないなぁ。
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