こんな数字が出るのは異常
毎日のニュース等を見ていると、なんとなく社会の動きは理解できる。こんなことが流行しているとか、こんな問題が起きているとか。
でも具体的な数字を見せつけられると、そんなあいまいな気持ちなんてぶっ飛んでしまう。統計資料が必要とされるのは、その数字が持つ説得力にあるのかもしれない。
ボクはこの記事を読んで、まさにぶっ飛んでしまった。
タイトルを見れば一目瞭然。だけどこの数字の多さに唖然として、しばらく開いた口がふさがらなかった。記事から抜粋してみよう。
『警察庁によると、2018年の1年間に警察が届け出を受理した認知症に関わる行方不明者は前年より1064人多い延べ1万6927人だった。統計を取り始めた12年の1.7倍となり、6年連続で過去最多を更新した』
まさか毎年１万６千人もの認知症の人が行方不明になっているなんて思いもしなかった。これは施設からの場合もあるだろうし、一般家庭から家を出てしまう場合もあるだろう。もちろん延べ人数なので、同一人物の徘徊も含まれていると思う。
それにしても多い。増え続けている理由は高齢化社会の影響だろう。長生きする人が増えているのと同時に、認知症の高齢者が増えているということだと思う。でもこれだけ毎年統計を取っていて、なぜ何も対策が取られていないのだろう？ それとも対策を取っているのに、効果が出ていないのかな？
以前にある記事で読んだことがある。認知症で徘徊する人のほとんどは、さまよいたくてふらついているのではない。家を出るときは普通の状態だけれど、外に出たとたんに自宅がわからなくなってしまうとのこと。徘徊が目的ではなく、家に戻りたいけれど場所がわからないということらしい。
行方不明になった人のほとんどは、一週間以内に見つかっている。だけど事故にあったりして、500人余りが亡くなっている。これは放置できない状況であることは明らか。どうにかしようと思うのなら、その対策はいたってシンプルじゃない？
認知症を患っている人に、GPSの発信装置をつけるだけで済む。いまはスマートフォンで登録した人の居場所がわかる。ボクも妻とどこかで待ち合わせをするときは、そのアプリを使っている。細かい道まで移動中の場所がわかるので、行方不明になってもすぐに見つけることができる。
それほど費用はかからないはず。ここまで行方不明者と死者が出ているのなら、行政としても予算化するべきじゃないだろうか？ もしボクの家族に対象者がいたら、なにがなんても持たせるけれどな。子供の居場所を把握するのと同じことだよね。
毎年こうして行方不明者が増加していくのは、明らかに異常な状態だと思う。統計を取るのはそれが目的じゃなく、具体的に対処していくためのはず。こんな数字をいくら見せつけられても、まったく無意味だと思うなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント （0件）
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする