あなたの耐えられない音って何?
日々の生活に追われていると、少々不快な音もスルーしてしまう。でも耳をすませてみると、様々な音でこの世界は満ちている。
いまボクの耳に届いているのは、ウグイス、カラス、セミ、犬、マンションを駆け抜ける風、坂道を登るトラック、建築工事、阪急電車、ごみ収集、ボクが打つキーボード、というような音。もっと深く意識すれば、まだまだ書き出すことができるだろう。
それでもこの程度なら不快に感じることはない。思い返しても突発的な出来事以外、耐えられないほどの音はない。毎朝近所の寺で聞こえる『ヨイショ体操』の声も、10年以上も聞いているとさすがに慣れてきた。
強いて言うならば、歩いて10分足らずの場所に設置されたゴミ収集場の音。電柱に高周波の音が出る装置が取り付けてある。カラスや猫対策だろうけれど、車でも人間でも前を通るだけで耐えられないほど不快な音が出る。脳みそに直接届くような高周波で、これなら動物は近寄ってこないだろうね。
こんな程度ならいいけれど、日常的に聴こえる音に苦しんでいる人がいるらしい。
初めて聞いた言葉だけれど、音嫌悪症候群という病気があるそう。海外ではミソフォニアと呼ばれている。代表的なのは咀嚼音で、他人がリンゴをかじったりする音が不快で耐えられない状態になる。この記事の著者がそのミソフォニアなので、その辛さがよくわかる記事だった。
かなり大げさだけれど、学術上は精神疾患のひとつとして知られているそう。実例をこの記事から抜粋してみよう。
『咳や爪切りの音、ハミガキの音、歯ごたえのあるものを噛む音、咀嚼音、ズルズルと音を立てて飲む音、呼吸音、鼻を鳴らす音、あくび、ガムを噛む音、笑い声、いびき、タイプ音、口笛…』
う〜ん、たしかに心地いい音じゃない。どちらかと言えば不快に感じる音だろう。だからといって、ボクには耐えきれないほどのものじゃない。状況や程度にもよるだろうけれど、よほど異常な状態じゃなければ我慢できるだろう。
でもミソフォニアの人にすれば、これが苦痛で人前に出られない。耳栓でもしなければ、列車に乗ったりレストランに入ることもできない。そこまで耐えられないと、かなり辛い状況であるのは事実だよね。普通に働くことができないだろう。
発症するのは13歳くらいが多く、ほとんどの人は治療を要するほどのものじゃないらしい。耳元でリンゴを食べないようにお願いしたり、ヘッドフォンをすることで対処できる。だけど症状が悪化するとその程度では無理になるとのこと。治療が必要になる。
ただ、原因が明確ではないので、治療がなかなか難しい病気だと書かれている。初めて聞いたけれど、この病気の存在を知らずに苦しんでいる人は多いかもしれない。ボクたちが普通に暮らしているように見えても、人知れず辛い思いをしている人がいるということだね。
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