怪獣の正体はアルコール依存症?
ようやく夏らしい気候になって、今日は歩いていても気持ちよかった。もちろん猛暑になればそうも言ってられないけれどね。
自宅マンションの百日紅も美しい花をつけて夏を満喫している。彼ら(彼女ら?)にすれば、もっと暑くなるほうが嬉しいかも。それは蝉も同じだろうな。
さて、かなり風変わりな映画を観た。ボク的にはかなり好きな映画なんだけれど、ダメな人はダメだろうなぁ。だってあのアン・ハサウェイが怪獣になるという映画だから。
『シンクロナイズドモンスター』(原題: Colossal)という2017年のカナダ・スペインのSF映画。脚本を読んで内容を気に入ったアン・ハサウェイが主演を承諾。そのうえ彼女自ら製作総指揮まで務めている。それほど気に入ったんだろうね。
だけど当初は資金調達に苦労したらしく、数々のトラブルを乗り越えて完成したそう。たしかにかなり変わった映画なので、スポンサーも慎重になったんだろうね。
アン・ハサウェイ演じるグロリアは、フリーライターをしていたがリストラされて失業中。お酒におぼれてアルコール依存症と言っていい状態で、恋人のティムにニューヨークの家を追い出される。
仕方なく誰もいないニューハンプシャー州の実家に戻ったグロリアは、幼なじみのオスカーが経営するバーのウエイトレスとして働く。だけど店が閉まったあとも友人たちと飲み明かす生活が続き、グロリアはいつもアルコール漬けだった。
そんなある日、韓国のソウルが怪獣に襲われて街が破壊される。大勢の死傷者も出た。怪物がソウルに登場するのは決まった時間で、アメリカの時間で言えば午前8時5分。そのことからグロリアは恐ろしいことに気がつく。
明け方まで飲んだくれて自宅に戻る途中、その時間帯にある公園にいた。実は彼女がその公園にいるとき、ソウルに怪獣が現れる。その偶然に疑惑を持ったグロリアは、あるしぐさをしたとき、怪獣も同じしぐさをしたことで衝撃の事実を確信する。その時間に彼女が公園にいるとき、ソウルに怪獣が現れる。
大勢の人間の命を奪ったことを知ったグロリアは、お酒を断って二度とその公園に踏み込まないことを決意する。ところがこの怪獣が現れることになった理由として、25年前の午前8時5分に起きた出来事が関係していた。そしてそのときにオスカーもそこにいた。
新しい映画なのでネタバレはここまで。グロリアはニューヨークの恋人の元へ戻ろうとするけれど、オスカーによってそれが無理になってしまう。そしてあることを決意したグロリアは、単身でソウルへ向かう。ボクとしては、そのオチにめちゃウケてしまった。
怪獣がソウルを破壊することが映画のメインになっているけれど、この作品で本当に恐怖を持って描かれているのはアルコール依存症だと思う。依存症にならざるを得ない生き方を改めない限り、自分の身を滅ぼし、結果として社会を滅ぼすことになってしまう。アルコールや麻薬中毒による犯罪を示唆しているような内容だった。
それにしてもアン・ハサウェイはいつ見ても可愛いよなぁ。この映画の公開時には、一児の母になっている。でもそんなことを忘れるほど、キュートな女優さんだよね。これからも息長く、俳優として活躍して欲しいと願っている。
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