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高羽そらさんインタビュー

被害者家族を食い物にする人

ボクはワイドショーが嫌いなので見ない。偏向報道は当たり前で、視聴者に特定の印象を植え付けようとしているのが見え見えだから。

 

なかでも腹が立つのは、凶悪犯罪が起きたとき。被害者家族に接触してはマイクを向けて気持ちを訊こうとする取材態度。聞かなくてもわかるはず。悲しいし、悔しいし、怒りで腸が煮えくり返っているに決まっている。

 

これはワイドショーに限らず、新聞やテレビニュースでも同じ。滋賀県の大津市で幼稚園児が歩道に突っ込んできた車で亡くなったとき、記者会見をした幼稚園側に対して、まるで加害者のような質問を浴びせかけていた。報道に客観性を求めるのは無理なのかもしれないけれど、あまりにひどい。

 

ボクのようにワイドショーを見ないようにしている人間でさえ、それだけの情報が入ってくる。だから番組を見ている人は、もっと強く影響を受けてしまうだろう。

 

犯罪の被害者家族について取材するとき、大切なのは相手の意向だと思う。状況によっては何も答えたくないときもあるだそうし、遺族として世間に訴えたいことがある人もいるだろう。そういう場合は、その遺族の言葉をありのままに伝える義務があると思う。でもそれはうまくいっているとは言えないの現状だろう。

 

これは日本に限らず。おとなりの台湾でも同じようなことが起きている。

 

凶悪事件が起きた時、私たちはどのようにメッセージを発すべきか

 

2016年に恐ろしい事件が起きた。3歳の女の子が母親の目の前で男に切りつけられ、首をはねられて殺された。犯人は逮捕されたが、誰でもよかったらしい。死刑になって死にたかったので、抵抗できない弱い少女を狙ったのだろう。でも首を切り落とすなんて……。

 

当然ながら母親に同情の声が集まった。マスコミも取材する。母親は二度とこんなことが起きない社会にしてほしい、と政治家に訴えた。それを受けて、政治家たちも母親の言葉に賛同する意思を表明した。

 

ところが犯人の死刑に関して母親が発言したことで、その発言がねじ曲げられれていく。母親はこう述べた。

 

「たとえ加害者が死刑に伏したとしても、小燈泡はもう戻ってこない。それよりも、一体なにが起こったのか、なにが犯人をそうさせたのかという真実を知りたい。あの子の死を、死刑推進に利用するのはやめてほしい。私は小燈泡ではないし、あなたも小燈泡ではない。誰も小燈泡の気持ちを代弁することは出来ない」

 

率直で心に響く言葉だと思う。ボクも死刑制度には反対なので、この母親の気持ちがよくわかる。


だけど死刑制度を推進したい保守派の政治家がこれに反発した。それまで母親に同情の意を示していた議員たちが、この母親をバッシングする側に寝返ってしまった。そしてマスコミもその流れに同調することで、世論が扇動されることになった。

 

母親の反死刑制度の発言が、結果として死刑制度推進の方向へと誘導されてしまった。マスコミの責任は大きい。犯人に極刑を求める声が止まらなくなった。それが正しいことである、と誰もが思うような空気が捏造されていった。

 

その結果、死刑判決が出た18日後に死刑が執行された。それは犯人の思う壺。死にたい人間のために、3歳の女の子が犠牲になっただけで終わってしまった。


こんな悲惨な事件でさえ、被害者家族を食い物にして自分たちの意見を通そうとする人がいるということ。これは報道したマスコミも同罪だと思う。なんともやりきれない気持ちになる記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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