図書館の終わりが見えてきた
ボクは図書館のヘビーユーザー。平均して年間に200冊の本を読むので、そのすべてを書店で購入するのは無駄が多すぎる。だから図書館という存在はありがたい。
神戸市の場合はネットで蔵書検索をして、そのまま予約できる。図書館には本を取りに行くだけでいい。住居地の図書館にない本でも、他に予約がなければ数日で取り寄せてもらえる。
いままでアナログ空間だった図書館が、ネット社会の影響を受けてデジタル化しつつある。図書館内の蔵書を借りるなら、窓口に並ぶ必要がない。自動貸出機があるので、図書館カードを読み込ませて本を置いたら終了。本当に便利になった。
そんな変化に対応して、図書館で働く人の仕事も変わってきているように感じる。ボクが通っている神戸市灘区の図書館で働いている人は、正式な公務員じゃないような気がする。おそらくアウトソーシングしているんじゃないだろうか?
制服のようなものを着用されていて、そのロゴが企業名のように見える。勝手な思い込みかもしれないけれど、デジタル化を進めることで神戸市は図書館職員を外注しているんじゃないかな? つまり以前のように、専門的な知識を有する司書の需要が減少しているんだと思う。
「もう図書館で働けない」 非正規雇用で10年働いた司書が天職を辞めようと思った理由
そんなボクの思い込みは、もしかすると的を得ているかもしれない。このリンク先の記事を読むと、いまの図書館の実態がよくわかる。なんと公共図書館で働く職員のうち、約7割が非正規雇用らしい。このなかには、ボクが想像しているアウトソーシングも含まれているかもしれない。
財政難の自治体が増加している影響で、図書館の人件費が削減されているとのこと。大学を出て司書の資格を持っている人でも、よほど運が良くなければ公共図書館での正規雇用が難しいらしい。だから司書という仕事が好きで続けたいなら、薄給でやっていくしかない。
ただこの記事の現状が事実だとすると、とても生活していけない。給料が少ないうえに、いつ契約を打ち切られるかわからない。そんな不安定な状態では、転職する司書の人が増えるのは仕方ないだろう。
司書の最大の強みは、レファレンス機能だろう。調べたいことを相談するだけで、適切な本や資料を紹介してもらえる。経験の深い司書の人の知識は、これまで大勢の人を助けてきたことだろう。だけどこんな労働条件では、そうしたスペシャリストが今後は育たないかもしれない。
ボクは図書館が好きだから擁護したい気持ちはある。だけど図書館をなくすわけにはいかないから、人件費節約は避けて通れない。だからこれまで司書の人が提供していたノウハウは、AI等のデジタルに引き継いでいかれると思う。それは従来の図書館の終わりが見えてきたということ。
人間に変わってロボットに相談することで、必要な資料や書籍を提示することは可能だろう。むしろコンピュータの得意分野だと思う。だから司書の人が仕事を失っていくことは、時代の流れとして避けられないような気がする。とても残念だけれど。
こうした傾向は、図書館だけに限ったことじゃない。いずれ会社の総務や経理業務は、AIに奪われてしまうだろう。でもそれは人類が次のステージへと進むために必要なステップだと思う。受け入れていかないとしんどいよ。
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