ゲートボールの謎がわかった
典型的な高齢化社会になった日本。ゆえに老人の人口が増えているはずなのに、少し前から気になっていることがあった。
それはゲートボールをしている高齢者の姿を見なくなったこと。ボクが30代だった20年ほど前は、公園で集まってゲートボールをされているお年寄りをよく見かけた。野球やサッカーをする子供たちと場所を奪い合っているほどだった。
地方へ行くと、田畑の近くの空き地にゲートボール専用のグランドを見かけたことがある。ところが最近になってそんな姿を見かけることがかなり減った。たまに見かけても、ゲートボールじゃなくてグランドゴルフが多い。
ゲートボール人口が減っているのは明らか。高齢者が増えているはずなのになぜ? この疑問の答えを知って、自分の固定観念の強さにあきれてしまった。
ゲートボール人口が減少しているのは事実。20年前には200万人もいたのに、2014年の加盟団体の加入者は11万人とのこと。団体に所属していない人を含めたとしても、大幅な減少だということがわかる。
ゲートボールは日本発祥のスポーツで、元々は子供向けに考案されたものらしい。前回の東京オリンピックのとき、子供たちにスポーツを促進するために活用しようとした。
だけどルールがシンプルで体力も必要ないので、自然と高齢者のスポーツへと移行していったそう。それで平成が始まったころには、高齢者のスポーツとして定着したのだろう。
ボクの固定観念は、この段階で硬直している。だから高齢化社会なのにゲートボール人口が減っていることに疑問を持った。でも答えはシンプルだった。
それは健康寿命が大幅に伸びたこと。だから若いときや中年時代にスポーツに親しんできた人たちは、高齢者になってもそのまま続けている。そういえばボクのマンションにも年配の人が集まったゴルフの同好会があったし、近くのテニスコートを通りかかると、朝早くから高齢者の人がラケットを握っている。
ひとくくりに高齢者といっても、この20年くらいで世代交代しているということだね。ある程度健康なら、好きだったスポーツを続けたいはず。それにいまの高齢者と呼ばれている人たちは、中年のころに『ゲートボール=年寄りのスポーツ』というイメージを植え付けられている可能性が高い。
だからあえてやらないのかもね。その気持ちはわかるような気がする。スポーツ施設も充実しているから、それぞれの趣向にあったスポーツを楽しんでいるのだろう。
高齢者という言葉に対して、ステレオタイプのイメージを従来のまま抱いていると、ボクのようにゲートボール人口が減った理由を理解できないということ。ちょっと反省。現代の10代が高齢者になったときは、まったく新しい概念を持った老人たちが登場しているんだろうなぁ。
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