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高羽そらさんインタビュー

リンカーンを追い越した男

ボクは南北戦争時代のアメリカに強い関心がある。きっかけは『風と共に去りぬ』という小説と映画、そしてそのスピンオフ小説を読んだから。

 

あの内戦は、アメリカが現在でも抱えている問題がむき出しになっていたように思う。だけどまだまだ知らないことがあった。今日観た映画で、この時代にとんでもないことをやりとげた人物がいたのを知った。

 

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『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』(原題:Free State of Jones)という2016年のアメリカ映画。南北戦争を扱った作品で、戦闘シーンはかなりエグい。だから子供には見せづらい作品かもしれない。けれど2時間20分という時間を忘れるほど、画面にくぎ付けになる素晴らしい作品だった。

 

ニュートン・ナイトという実在の人物を描いた作品。ニュートンは南軍の兵士として従軍していたが、ある日まだ少年の甥っ子が、戦地に駆り出されたことを知る。自分がそばについて守ろうとしたが戦死させてしまう。

 

亡骸を戦地に埋めることに耐えられなくなって、甥の遺体を馬に乗せて戦線離脱する。故郷に埋めてやるためだった。それは自動的に脱走兵となり、味方であった南軍から追われることになる。

 

故郷に戻ったニュートンは南北戦争の実態に愕然とする。金持ちは優遇されて徴兵されない。つまり金持ちののために貧しい人たちが命をかけている。そのうえ徴収という名目で、農家の家畜や収穫物、さらに家財道具まで奪っていく。そのことに耐えられなくなったニュートンは、脱走兵や農民、そして奴隷となっていた黒人たちを集めて戦った。

 

奪われた作物を取り返し、無益な戦争から逃れてきた人たちを受け入れた。最初は数人だった集まりが、やがて老若男女を含めた大集団へと成長していく。そして南部のいくつもの地域を南軍の手から奪い取り、自治州として宣言する。すごい人だよね。

 

ニュートンが提唱した自治州の原則が素晴らしい。

 

〈ジョーンズ自由州4原則〉


1. 貧富の差を認めない。


2. 何人も他の者に命令してはならない。


3. 自分が作ったものを他者に搾取されることがあってはならない。


4. 誰しも同じ人間である。なぜなら皆2本足で歩いているから。

 

これはリンカーンが奴隷解放宣言をするよりも早かった。ニュートンはリンカーンを追い越して、理想的な社会の実現を宣言していた。

 

南北戦争が終わったことで、この自治州は解散する。だけどニュートンの戦いは続いた。なぜなら黒人の奴隷解放なんてまやかしに過ぎなかったから。特に南北戦争に負けた腹いせもあって、南部では黒人差別が激しい。KKKが徒党を組んで、大勢の黒人を血祭りにあげていた。

 

この映画を観ると、彼らの戦いがいまでもまだ続いているような気になってしまう。人種差別しかり、LGBT問題しかり。現代社会でもマイノリティに対する風当たりは強い。この映画を観ていて、そんなことを考えさせられた。

 

この映画で唯一残念だったのは、ニュートンのひ孫の裁判を物語に挿入したこと。南北戦争から80年以上経っても、人種差別が続いていることを伝えたい気持ちはわかる。ひ孫は黒人の血を引いていることで、白人の女性と結婚したことで有罪になる時代だった。見た目は白人に見えるけれど、ニュートンはレイチェルという黒人女性と子供をもうけている。

 

だからひ孫は有色人種という判定を受けて、なんと5年の懲役刑になる。いまなら信じらなれないこと。ただ連邦法によって、彼は無罪になったけれどね。だけどこのエピソードをはさんだことで、ニュートンの偉業に集中できないのが残念だった。結果として必要なかったと思う。

 

それでもすごい映画だったと思う。この作品のおかげで、この時代のついてのボクの知見が深まったたように思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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