最終的な決断に必要なもの
人生は決断の連続。今日のランチを何にするかということまで含めて、数え切れないほどの決断を常時行なっている。
考えた末にランチを決めても、あぁ失敗したと思うことはある。ましてや人生における重大な決断を迫られたとき、できる限り後悔はしたくない。だから答えを出すのに慎重になるし、より確かな決め手が欲しいと思うはず。
それは誰かのアドバイスだったり、過去の経験だったり、客観的なデータの場合もあるだろう。でもそれらをかき集めても、最終的に決めるのは自分。その決断の瞬間に必要なものとはなんだろう?
そのことをテーマにした映画を観た。
『ドラフト・デイ』という2014年のアメリカ映画。アメリカンフットボールのプロであるNFLのドラフト会議をテーマにした作品。弱小チームのドラフトを指揮するGMのサニーを、ケビン・コスナーが演じている。
なんとなく観始めたけれど、途中から目が離せなくなった。ドラフト開始までの時間がカウントダウンされていて画面に表示される。それがゼロに近づくにしたがって、映画を観ているボクまでがサニーの気持ちになってしまった。久しぶりにめちゃ興奮した映画だったなぁ。
この映画は、NFLのドラフトルールを知っておくと面白い。日本のプロ野球のドラフトと似ているけれど、さすがアメリカだと思うほどショー的な要素が盛り込まれている。
前年の成績が悪かったチームが、選手指名の順番が下位になるのは日本のプロ野球と同じ。だけど日本のように一斉に一位を指名できるわけじゃない。最初の球団が指名したら、それでその選手は決まり。抽選なんてなくて他のチームは指名できない。
だから指名順位を事前にトレードすることができる。例えば7位のチームがいい選手を獲得するため、1位の権利を持っているチームに持ちかける。来年以降のドラフトの権利や選手のトレード等を条件にして、その1位の順位を譲り受けることができる。これが日本とちがう。
そして指名の順番が回ってきたチームには、指名選手を発表するのに10分の制限時間がある。それをオーバーすると、指名権を失ってしまう。その10分以内なら、他の球団と交渉して指名順位をトレードすることもできる。
つまり土壇場の大逆転も可能だということ。このあたりがアメリカらしいよね。予想もしないドラマが生まれる素養が十分にある。
そしてこの映画は、まさにそんな大どんでん返しが起きる作品。サニーの機転によって、このチームはとんでもないことをやらかす。映画の展開として予想できる。だけどわかっていても面白い。そしてめちゃめちゃ痛快な気分になる。
比較的新しい映画なので、ネタバレは控えておこう。スポーツが好きな人は、絶対に面白い映画だと思う。球団のオーナー、GM、監督やコーチスタッフ、選手、そして選手の家族たちの想いが、この物語においてそれぞれ見事に表現されている。
主人公のサニーが、最終的な決断を下すために使用したものさしがユニークで最高。もちろん様々な意見を監督等に聞いているし、データも検討している。だけど最終的に彼の決断を促したものは、なんと『直感』だった。素晴らしいよね。
直感に勝るものはないと思う。ボクも同じなので、サニーという人物に共感することができた。もう一度観たくなる映画だったなぁ。
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