石油価格高騰より怖いもの
日本は少しずつ秋らしくなってきて、なんだかんだ言っても平和な国だと思う。この涼しさを満喫できるんだからね。
でも世界に目を向けると、争いごとが絶えない。サウジアラビアの石油施設が攻撃されたことで、中東諸国に緊迫感がただよっている。
アメリカのトランプ大統領は、イランの攻撃だとして報復措置を検討している。通常の兵器ではなく、サイバー攻撃も視野に入れているらしい。
今朝の日経のニュースによると、サウジアラビア国防省がミサイルの破片を公開していて、航続距離を考えてもイエメンではなくイランの攻撃だと断定している。イエメンの親イラン派武装組織のフーシが犯行声明を出しているけれど、サウジアラビアとしてはイランが背後にいると見ている。
この出来事は、今後の世界情勢に大きな影響を与えそうな予感がする。
今回の攻撃についてくわしく書かれている記事。とても勉強になった。
もっとも問題視されているのが石油問題。攻撃による石油価格の変動が激しく、日本政府もあわてて備蓄があることを表明したり、アメリカも自国の石油を供出することを発表している。
子供のころにオイルショックを経験したボクの世代にすれば、たしかに石油の価格は気になる。だけど今回の攻撃の恐ろしさは、もっと別のところにある。
それはドローンによる攻撃だということ。今朝のサウジアラビア国防省の発表によると、巡航ミサイルは7発、そしてドローンは18機が攻撃を仕掛けてきたとのこと。被害の多くはドローンによるものらしい。
これは現代の戦争を象徴している。人間が身体に爆弾をくくりつけて行う自爆テロは、すでに過去のものになりつつある。いまやドローンを使うことで、無人で攻撃することが可能になった。
軍事施設やホワイトハウスのようなところをドローンで攻撃するのは、さすがに難しいだろう。だけど今回のような石油施設やモスク等の寺院、あるいは一般の商業施設なら、ドローンで簡単に攻撃できることが世界中に証明されてしまった。テロリストたちが注目しているのはまちがいない。
攻撃する側はモニター越しに現地を見るわけだから、罪の意識も希薄だろう。テレビゲームをやっている感覚で大勢の人を殺したり、経済的な打撃を与えることができる。レーダーでも補足されにくいので、民間施設を狙うには十分なはず。
各国はドローン対策に乗り出すだろうけれど、限界があると思う。特に日本のように平和ボケしている国だと、想像を絶する被害や犠牲者を出すことになるかもしれない。今回のサウジアラビアの石油施設に対する攻撃は、戦争に関する時代の転換点として人々に記憶されるような気がする。
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