アマゾン・エフェクトの脅威
昨日、ZOZOの元社長である前澤さんが、自分の借金についてツイートで事実を公表されていた。2000億円と報道されている借金は、600億円というのが事実だとのこと。庶民にすればどちらもすごい額だけれど、明らかに度を越したいい加減な報道だと思う。
前澤さんについては、まるで負け犬のような報道が多い。会社を興したら、ずっと続けることが日本人の美徳と思われているからだろう。だけど海外に目を向けると、それが時代遅れの陳腐化した発想であることがわかる。
起業した若手が目指す方向として、『イグジット』というものがある。会社の実績を作り、大手に売却することで投資した資金を回収すること。そして次の事業に向けてそのお金を回していく。そういう意味では、4000億円という金額でヤフーにZOZOを売却した前澤さんは『イグジット』に成功したと言える。
ヤフーにしてもZOZOのブランドイメージをそのまま使えるので、競合他社から抜きん出るチャンスになると思う。ただし、どうしても勝てそうにないライバルがいる。それはAmazon。
アメリカの小売店が、ここ3年で1万店も減少しているという記事。それはAmazonに顧客を奪われているから。これをアマゾン・エフェクトと呼ぶそう。威圧的な名称だよね。でも名前だけでなく、実際に大きな影響を及ぼしている。
書籍販売からスタートしたAmazonは、2011年に書店大手のボーダーズを破綻させた。そこから商品の販売領域を広げていく。2015年には家電量販店のラジオジャック、2017年には玩具販売のトイザラスを破綻させた。これがアマゾン・エフェクトの実態。
さらに衣料品まで手を伸ばし、ファストファッション大手のフォーエバー21という会社を破綻に追い込んだ。この記事によると、この店舗を訪れた親子は「欲しい商品がない」とインタビューに答えたそう。
でもAmazonなら、好みにあった服を多くの選択肢から選ぶことができる。そして注文すれば、数日中に届く。ボクも今日はAmazonで注文した商品が届く予定。二日前にネットで注文した商品が、自宅に送料無料で届けてもらえる。
ボクも実店舗は商品を見るのに参考にする程度で、既製品はほぼAmazonで購入している。小売店で買っているのは食品と衣料品がほとんど。なかには食品でさえAmazon等のネットショップを使っている人もあるだろう。
だからヤフーがZOZOを買収したとしても、おそらくAmazonには勝てないだろう。前澤さんは、うまく売り抜けたかもしれないね。アメリカのウォルマートでは、ネットで注文した商品を、顧客が来店したらすぐに渡せるサービスを始めているそう。
どうにかしてAmazonに対抗しようと必死だということ。日本も小売店が減少しつつある。やがてアマゾン・エフェクトに蹂躙されるだろうと思う。今日のニュースでは、イギリスの大手旅行会社であるトーマス・クックが破産している。
その影響で60万人近い人が海外等の旅行先で足止めを食らっているそう。アメリカなどは自国民を運ぶ飛行機を飛ばしているような状況。この老舗旅行会社が破産したのは、民泊をマッチングする会社やオンライン旅行会社に顧客を奪われたから。小売業が警戒するのは、Amazonだけじゃないということだね。
消費者には便利になって有り難い。でも小売業者の人たちが生き残るためには、Amazon等にないものを打ち出していくしかない。日本では消費税も増税されるから、小売業者にはきびしい冬が近づいているのかも。
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