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高羽そらさんインタビュー

暴動が誘発する人間の本性

もしかしたら今年観た映画のなかで、ベスト1だと思う作品に出会った。いつもそう言っているような気がするけれどwww

 

ただベスト1と言っても、感動で涙に濡れるというような作品じゃない。むしろ胸糞悪いし、ふつふつとした怒りを覚える。それだけに強く心に残って、いまもこの映画のことをずっと考えている。

 

DETROIT

 

 

『デトロイト』という2017年のアメリカ映画。この作品は1967年7月23日に起きたデトロイト暴動の実話を映画化したもの。ボクはまだ5歳なので、この暴動のことはくわしく知らない。ただなんとなく見聞きした程度。

 

だけどこの映画を観て、アメリカにおける人種差別のおぞましさを改めて知った。もちろん現在だとここまでのことは起きないかもしれない。差別に対する意識は多少改善されているだろう。だけど本質的な問題は、いまも根強く残っているように思う。

 

暴動はささいなことから始まった。無許可で営業している酒場をデトロイト警察が摘発したのがきっかけ。連行される黒人たちを見て、周囲の住民が騒ぎ出した。やがて群集心理によってその騒ぎは暴動へと発展する。

 

もちろんずっと火種はあった。その地域は貧しい黒人たちが押し込まれた地域で、人種差別による貧困によって黒人たちの不満は爆発寸前だったから。発火点に達するのは時間の問題だったので、酒場の摘発がたまたま火をつけただけに過ぎない。

 

デトロイトの街は一気に戦場と化す。警察だけでは手に負えず、州軍まで制圧に出た。暴動につきものなのが略奪。貧困で苦しんでいるとはいえ、やはり略奪はまずい。警察や軍隊の怒りを買ったのは、暴動を起こした人たちにも責任がある。

 

ただ異常なほどの差別主義者が、白人たちにいるのは事実。この暴動をきっかけにして、そうした差別主義者たちが暴走する。いままで隠していた人間の本性をむき出しにした。この映画で問題となるのは、差別主義者の警察官。

 

アルジェ・モーテルという黒人が利用しているモーテルで発砲音が聴こえた。それは銃のオモチャを使ったイタズラだった。だけどデトロイト警察はそのモーテルに駆けつける。そして泊まり客を集めて尋問する。

 

もちろん銃なんて出てこない。だけど結果として警察は無実である3人の黒人を射殺してしまう。それも通常の尋問ではなく、まるで拷問だった。そして暴動が収まり、その事件について裁判が行われた。

 

この映画はその事件に関わった実在の人物を取りあげたもの。新しい映画なので、まだ観ていない人のためにこれ以上は書かないようにしよう。もしチャンスがあるのなら、この映画はぜひ観たほうがいい。極限状態に置かれた人間がどのような行動を取るかを、現地で見たような気持ちにさせられるだろう。

 

そしてこんなことは二度と起こしてはいけない、と映画を観た人の心に強く語りかけてくる作品だと思う。

 

この映画で最悪の警察官であるフィリップを演じたウィル・ポールターという俳優さん。さらに未来あるミュージシャンの道を断念することになったラリーを演じたアルジー・スミスという俳優さんの演技に注目!

 

対局にある二人だけれど、彼らの真に迫る演技にボクは心底震えた。フィクションだということを忘れてしまうほど。この映画はいまだから作ることができたんだろうなぁ。とにかく強く心を揺さぶった、素晴らしい映画だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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