はしかが怖い本当の理由
はしかという病気は、ボクが子供のころはかかって当然のように考えられていた。遅かれ早かれかかるものなら、積極的にかかっておいたほうがいい。ボクの親世代はそういう感覚だった。
だから初恋を象徴する言葉に、『はしか』が使われることがあったほど。いずれ誰もが通過するというものだと考えられていた。ところがこの病気は、その症状以上に恐ろしいものだということが最新の研究で発表されている。
この記事のタイトルを見ただけで、ゾッとしてしまった。これは今月の1日にアメリカの科学誌である『サイエンス』で発表されたもの。
人間の肉体は免疫システムによって守られている。過去に感染した病気に対する抗体を作ることで、次の感染がないように対処している。
ところがはしかにかかってしまうと、これまでにさらされた病原体に関する記憶を削除し、免疫記憶を実質的に消し去ることがわかったそう。個人差はあるけれど、最大で73パーセントの免疫が消えているのが確認されている。
子供のなかには新生児と変わらないほど免疫が低下する事例もあった。まさに免疫システムのリセット。これはめちゃ怖いよね。
せっかく辛い思いをして病気の抗体を作ったのに、それが一度のはしかでチャラになるなんて。無知というのは恐ろしい。ボクたちの親世代は、はしかなんて誰でもかかるもんだと考えていた。まさかこんなことが起きているなんて知らないからね。
そしてこの問題は、いまの親世代も真剣に考える必要がある。先日のブログで、SNSによる医療情報に翻弄される危険に関する記事を紹介した。そこにも書かれていたように、ワクチン反対派による同調圧力は思っているよりも強い。
だからはしかのワクチンを接種していない子供は多いだろう。でもこのアメリカでの研究発表が事実だとすると、せっかく自分の子供がこれまで獲得した免疫を、たった一度のはしかで水の泡にしてしまうことになる。子供に選択権がないんだから、親の責任は大きいと思う。
はしかと同じように、他の病気でもわかっていないことってあるんだろうね。最近になって世界的にはしかの感染が警告されていたけれど、それほど恐ろしい病気だということを改めて認識した記事だった。
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