体と心を『汚い』から守る方法
この季節になると、タンがからまったようなひどい咳をしている人が増える。スーパーで買い物中にそんな人を見かけると、その近くにある商品に手を出すのをやめる。だってそんな人に限ってマスクをしていないから。
世の中には雑菌があふれている。それは周囲の環境だけでなく、自分の肉体内部にも存在している。そんな菌に関して、めちゃめちゃ面白い記事を読んだ。
「汚い」ってなんだ!? お金・スマホ・トイレ…身のまわりの菌を採取して免疫学の先生に聞いてみた
企画ものなんだけれど、徹底していて面白かった。あらゆる場所の菌を採取して、それを専門家に培養してもらった。どれがもっとも『汚い』かを調べるため。
採取したのは以下の菌。
1. 1円玉(昭和41年)
2. 5円玉(昭和50年)
3. 10円玉(昭和46年)
4. 100円玉(昭和43年)
5. 500円玉(平成16年)
6. 千円札
7. ばんびのスマホ(何日かに一度アルコールで除菌)
8. おかん(編集者)のスマホ(除菌したことナシ)
9. AさんのPCキーボード
10. BさんのPCマウス
11. 編集部の床
12. 編集部の共用サンダル
13. 台所のシンク
14. 台所のスポンジ
15. おかん(編集者)の携帯歯ブラシ
16. エレベーターの1階ボタン
17. 公衆トイレの洋式便座
18. 公衆トイレの流すボタン(プッシュ式)
19. 野良猫
20. おかんのひじの裏(アトピー持ち)
このリストを見るだけで笑えてくる。よくここまでやったよね。その結果については写真付きで公開されているので、気になる人はリンク先の記事をどうぞ。なかなか興味深い結果が出ている。
この記事でボクが気に入ったのは、最後に専門家が語っていたこと。当たり前なんだけれど、真実をついているなぁと感じた。
世の中には菌があふれている。だけどそれらを避けようとして過剰なまで手を洗ったり殺菌するとどうなるか?
共存している微生物が減って、その隙を狙って病原性の強い微生物が棲みつくようになるとのこと。これを「菌交代現象」と呼ぶらしい。
歯医者さんで手術を受けたあと、過剰なまで気にした人が抗生物質を飲み続けた結果、口のなかの常在菌まで減って口がカビだらけになったそう。マウスウォッシュを過剰にやることで、舌にカビが生えた人もいる。
専門家の先生はこう言っている。
「我々の持っている「抵抗力」と、微生物の持つ「攻撃力」のバランスを考えること」が大切とのこと。肉体にはもともと備わっている抵抗力がある。だけど菌に汚れることを恐れて除菌ばかりしていると、その抵抗力を失ってしまう。
もし人間に抵抗力がないとしたら、生きていてもあっという間に肉体は腐っていくらしい。それほど自律的に抵抗力が働いているということ。
つまり、「物質そのものが『汚い』かどうかより、『持っている抵抗力よりも強い菌をいかに体に入れないか』を考えなければならない」とこの記事で締めくくられている。
結果として『汚い』に敏感すぎる人は、自分が本来持っている抵抗力を弱めていることになる。普通の人なら病気にならないような菌で不調になり、さらに神経質になっていく。まさに負のスパイラルだよね。
これは人間の心でも同じだと思う。世の中には嫌なタイプの人がいる。人間の好き嫌いは仕方ない。だけど『嫌い』の基準が敏感すぎた結果、そういう人を避けてばかりいたらどうなるか?
おそらく心の抵抗力が弱ってくるんだと思う。そして菌の場合と同じように嫌いな人が増えるばかりで、負のスパイラルに囚われてしまう。そうなるとかなり生きづらいよなぁ。
『汚い』も『嫌い』も含めて、ある程度の抵抗力をつける必要があると思う。それこそが身体と心を守っていく方法なんだろうね。
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