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高羽そらさんインタビュー

時間を超えた愛に号泣した

ボクはタイムトラベルものが大好き。映画も小説も含めて、時間移動のパラドックスにとても興味がある。

 

必然的にパラレルワールドという概念が物語に登場する。この世界観に関する小説や映画にたくさん接してきたけれど、久しぶりに感動で号泣する作品に出会った。ラストシーンなんか、涙で曇って文字が見えなかった。

 

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『11/22/63』下巻 スティーブン・キング著という小説。上・中・下の3つに分かれている下巻を読んだ。中巻までの感想は『過去の妨害が巧妙すぎる』という記事に書いているので参照を。

 

中間の終わりでは、主人公のジェイクが恋人のセイディーの危機を救ったところで終わった。JFKの暗殺を阻止するため2011年から1963年まで移動したジェイク。もう少しで犯人のオズワルドが単独犯行かどうかをたしかめられそうだったのに、過去による妨害を受ける。

 

セイディーの元夫が彼女の居場所を見つけて殺そうとした。かろうじてジェイクはセイディーを助けるけれど、彼女は顔の皮膚の一部がはがれるという重傷を負う。女性にとっては言葉にできないつらい結果になってしまった。

 

そのことがきっかけとなって、ジェイクは自分が未来からきたことを告白する。2011年なら彼女の顔を元のように治すことができるから。だからケネディ大統領の暗殺を阻止したら、二人で2011年に戻るつもりだった。

 

でも過去は変化に抵抗する。ジェイクは暴漢に襲われて記憶喪失になってしまう。未来から来たことはわかるけれど、オズワルドの名前がどうしても思い出せない。誰が暗殺の実行犯なのかわからなければ阻止できない。過去はここまで執拗に歴史を変えることを拒もうとしていた。

 

結果としてセイディーの協力によってジェイクは記憶を取り戻す。そして暗殺直前でオズワルドを妨害して、警察によってオズワルドは射殺される。ケネディ大統領も無事だった。ところがとんでもないことが起きる。

 

オズワルドがジェイクを狙った銃弾が、セイディーの命を奪ってしまった。そこで彼は決断する。2011年に戻って、もう一度過去に来ればすべてがリセットできる。つまりセイディーは生き返る。そしてこの5年間のことをもう一度やり直そうと思った。

 

しかしケネディが暗殺されなかった2011年は、世界の終焉を迎えようとしていた。世界中で大地震が起き、数えきれないほどの人が死んでいた。地殻変動で、日本の北海道も水没している。さらに局地的な核戦争が勃発して、大勢の人が放射能による障害を負っていた。

 

そんな2011年を見たジェイクは、自分のやった行為の結果だと知る。過去を変えることは、バタフライ効果によってとてつもないことを引き起こすことを痛感する。そしてある決断をする。

 

もう一度過去に戻り、すべてをリセットした。もちろんセイディーも生き返る。そしてケネディの暗殺をあきらめて、セイディーともう一度出会い、二人でこのまま生きていこうと思う。だけど泣く泣くセイディーのことをあきらめる。なぜならバタフライ効果が恐ろしかったから。

 

そして2011年に帰ると、元の世界に戻っていた。そしてネットを駆使してセイディーの消息を調べた。なぜなら元夫に殺されているかもしれないから。だけど彼女は顔に深い傷を負ったが無事だった。その後は独身を通し、町長も経験して街の名士として表彰されることになった。

 

ジェイクはセイディーに会いに行く。生きている無事な姿を見たかったから。だけど彼女は80代のおばあちゃんになっている。それでも会いたかった。

 

この二人の再会のシーンに号泣してしまった。1958年で二人が出会ったのはダンスがきっかけだった。だからジェイクはセイディーが表彰されている会場で、その曲をかけてもらうように仕組む。そして彼女に話しかけてダンスタイムがスタートしたとき、その曲がかかる。

 

そして二人は出会ったときのようにダンスをする。老人のセイディーはジェイクに対して、「あなたを以前から知っている気がする」と言う。そして「あなたは、いったい誰なの?」と訊く。

 

ジェイクは答える。まるで50年前に恋人だったときのように。「もうひとつの人生できみが知っていた男だよ、ハニー」

 

こうして書いていても泣けてきた。なんて素敵なシーンなんだろう。

 

ケネディ大統領暗殺に関する著者の見解を小説にしたものだけれど、物語の本質は時空を超えたラブストーリーになっている。もうたまらんよなぁ。

 

この作品は2016年にドラマ化されたそう。それも製作総指揮はJ.J.エイブラムズらしい。TSUTAYAにレンタルがあるかもしれないので探してみよう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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