悪意がなくても罵倒は毒
古くから言葉には言霊があると伝えられてきた。言葉を発する人の真意はどうであれ、言葉そのものがパワーを持っている。だから不用意なことを言ってはいけないというもの。もしかするとそれは単なる礼儀上のことだけでなく、真実をついているのかもしれない。
なかなか興味深い実験が行われている。カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンス学部の研究チームが被験者にゲームをさせた。そこにはロボットのpepperも同席している
二つのグループに分けられた。ひとつはゲームをしている被験者にpepperが暴言を浴びせ続ける。もうひとつのグループには称賛の言葉をかけ続ける。すると暴言を受けたグループは明らかにパフォーマンスが落ちた。なかにはゲームが終了してから教授に苦情を申し立てた人もいたそう。
その一方で称賛の言葉を受けたグループは、回を重ねるごとにゲームのスコアを伸ばしていった。なんとなく予想できる結果だけれど、この実験のポイントはロボットを使っているということ。どれだけ暴言を吐いたとしても、ロボットに感情はないから悪意は存在していない。
つまり悪意のあるなしに関わらず、自分を非難する言葉だけで人間は能力を阻害されるということだろう。これは人間関係を築いていくうえでも大きな意味を持つ実験結果だと思う。
親が子供を叱ったり、上司が部下を叱責するさい、例え心に愛があっても相手を打ちのめしてしまう。そのことを自覚しておかないと、人間関係が破綻してしまうことになるだろう。やはり言葉は言霊を持っている。
逆にいえば、心なかでムカつきながらも相手をほめることで、両者にとっていい関係を築ける可能性がある。相手のいいところを見つけて、それを徹底的にほめてあげることの効果は高そうな気がする。
この記事を読んで思った。pepperのようなロボットを使うことで、メンタルを鍛えるトレーニングができるかもしれないね。どのような言葉であれ、結局は自分に投げかけられたものをどう受け取るかによる。要は自分次第なんだよね。
普通の人間関係なら、暴言を吐かれただけで相手に悪意があると思ってしまうだろう。だけど感情のないロボットの暴言を聞き続ける訓練をすれば、自分の受け取り方を変えられるかもしれない。つまり言霊に負けない心の筋力を鍛えることができるような気がする。
きっとメンタルが強い人というのは、言霊に負けない心の筋力を持っているんだろう。罵倒という毒に対して作り上げてきた免疫があるんだと思う。
とにかく他人に対して不必要な暴言は吐かないようにしよう。たとえ心のなかで思っていたとしてもねwww
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