自己肯定感は大人も必要
日本人の自己肯定感は極端に低い。アンケート結果を見ると慄然とする。
「私は価値のある人間である」という質問に「ＹＥＳ」と答えた日本人は44.9％だった。ちなみに同じ調査で、韓国83.7％、中国80.2％、米国83.7％という結果が出ている。
この理由について考察した記事が興味深い。
「ダメ、ダメ」言い過ぎる母親を生む日本社会で、自己肯定感の低い子にしない最高の方法
その理由には説得力がある。日本人特有の連帯責任という強迫観念が働くから。村八分という言葉があるように、日本人という民族は連帯責任を重視してきた。自分の行動によって他人に被害を及ぼしてしまうことを恐れている。
『忖度』という言葉が象徴しているように、根回しというのは日本独自の社交術。それゆえ他人から抜きん出ることを抑え、変に思われないよう、迷惑をかけないよう神経を注ぐ。だから親は子供に対して、「ダメ、ダメ」を連発することになる。
この「ダメ、ダメ」が自己肯定感を下げてしまう。そりゃそうだろう。否定され続けていたら、自分に価値がないと思うのは当然。だから結論として、子供をほめよう。小さな成功体験を増やしてあげようということになる。
たしかにそのとおり。成功体験というのは大きい。自分で言うのもなんだけれど、ボクは自己肯定感が高めだと思っている。その基礎を作ってくれのは、今から思えば一緒に暮らしていた祖母だと思う。
とにかくボクを無条件にほめてくれた。将来の夢を語っても、それがどんなものであれ絶対にできると言ってくれた。だからできるような気がしてくる。「あんたは男前やねぇ」とお題目のように言ってくれたことも記憶している。
もちろん成人するにしたがって夢は破れ、挫折を経験する。それでも幼いころに植え付けられた自己肯定感は意外にしぶとい。だから書いた小説がどれだけボツになっても、また挑戦しようと思える。祖母に感謝しなくちゃね。
この記事を読んで思ったのは、目線が子供にしか向いていないこと。子供たちの自己肯定感を高めてあげるのは大切。だけど両親の自己肯定感が低かったら、それは難しいんじゃないだろうか？
子供をほめて彼らの成功体験を増やそうと思えば、親がその感覚を自分で体感することが先決だと思う。自分に価値がないと思っている親が、子供に自信を持たせることは難しい。人生は理不尽で辛いものだ、という想いが子供に伝わってしまうだけ。
だからこそ大人こそ自己肯定感を高める必要がある。小さなことでいいから挑戦を忘れず、それをやりとげる姿を子供に見せていくべきじゃないのかな？ 子供のいないボクが言っても説得力がないだろうけれど、客観的に考えてそう思ってしまう。
自己肯定感の基礎となるのは、『根拠のない自信』とのこと。子供たちにそれを植え付けてあげるためにも、大人が『根拠のない自信』を持たなければね。
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