続編の成功は難しい
映画の続編はポシャることが多い。『ロード・オブ・ザ・リング』のように元から長い原作を3部作の映画にしたものとちがい、単発作品が好評で二匹目のドジョウを狙ったものはコケる場合が多い。
今日から『ドクター・スリープ』というスティーブン・キング原作の映画が公開になった。これは人気作だった『シャイニング』の続編。それゆえコケないか心配している。
ただこの続編は、しっかりとした原作がある。それもめちゃめちゃ面白い。『シャイニング』から40年後の世界を描いた物語で、ボクとしては『ドクター・スリープ」のほうが圧倒的に優れた作品だと断言できる。だから期待しているし、近いうちに映画館へ行く。
続編でイマイチだった作品はいくつもあげられる。『ターミーネーター』なんかはそうだよね。第1作でタイムマシンを破壊してやってきたはずなのに、続編ではしれっとして物語がリスタートしていた。まぁ、だから今年になって新作が公開されたのかもね。
『マトリックス』も続編が公開されたとき、あれれ、という印象がぬぐえなかった。無理して作った感がもろに伝わってきた。これも新作が撮影されるそうなので、第2作、第3作で心に残った化学調味料のようなモヤモヤを払拭してほしいと願うばかり。
そして残念ながら、今日観た映画も続編を作らなければよかったのに、と思ってしまう作品だった。
『フレンチ・コネクション2』という1975年のアメリカ映画。先日ストーリーを忘れていた『フレンチ・コネクション』を久しぶりに観た。時代的なもっさり感はあったけれど、それなりに面白いという印象は変わらなかった。
この続編は観た記憶がない。それでトライしてみたが、う〜ん、という内容だった。
前作のラストで、ニューヨークに大量のヘロインを密輸しようとした黒幕のシャルニエは逃亡している。そこでジーン・ハックマン演じるドイル刑事がマルセイユまでやってきて、宿敵のシャルニエを捕まえようとする物語。
この続編が失敗なのは、ドイル単独だということ。この映画の面白さは、ジーン・ハックマンの相棒を演じたロイ・シャイダーとのやり取りが良かったから。なのに続編ではドイルひとりだけなので、この映画の魅力が半減している。
結局救いだったのは、ジーン・ハックマンの見事な演技力だけだった。シャルニエに捕まってヘロイン中毒にさせられる。その禁断症状と戦うシーンはすさまじかった。さすが名優だよね。
そしてもうひとついいところは、ラストシーンが秀逸だったこと。第1作のラストシーンは最悪。無理やりぶった切った感が強くて、置いてけぼりにされた気分だった。
ところがこの続編のラストは、船で逃げようとするシャルニエをドイルが銃で狙いをつける。そしてたった一度のチャンスで見事に仕留めるシーンでエンドロールへと突入する。これはかなりスッキリするので、いい映画を観たような気分にさせられて終わったwww
とにかく続編は難しいということ。お願いだから『ドクター・スリープ』がいい映画でありますように。
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