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高羽そらさんインタビュー

『車上生活』という名の貧困

ボクが20代や30代のころは、車のなかで一夜を過ごすなんて平気だった。高校時代の友人と琵琶湖畔で朝まで語り明かしたことも何度かある。妻と二人で深夜に京都を出て、車のなかで仮眠しながら奈良県の天川村で流星を観たこともある。

 

でも50代になると、そんなことを考える余地もない。ある意味自殺行為だからね。ましてや車のなかで何日も過ごすなんて考えられない。

 

だけどいまの日本では、車上生活をしている人がかなり増えているそう。

 

“車上生活” 漂うわけは

 

貧困といえば、頭に浮かぶのはホームレスの人たち。最近ではホームレスに加えて、車のなかで暮らす人たちが増えている。今年の8月に50代の女性が92歳の母親の遺体を車に放置したという事件があった。

 

その事件を追っていたNHKは女性たちが車上生活者だったことを知り、その実態を調査した記事。そういう人たちがいるのをなんとなく想像していたけれど、現状を知るとかなり複雑な気持ちになる。

 

ほとんどの車上生活者が暮らすのは『道の駅』とのこと。トイレが24時間使えるし、食事も可能。一般の人はあまり意識していないだろうけれど、『道の駅』の職員たちは車上生活者の存在を認知している。店を閉めても同じ車が停まっていたらわかるだろうね。

 

きっかけは家賃が払えないことがほとんど。幼い子供がいる若い家族でも、車上生活をしている人がいた。アパートを追い出されても子供がいれば野宿はできない。だから車で暮らすようになったとのこと。

 

ある高齢男性の収入は月額10万円の年金のみ。だけどアパートの家賃を払うと、生活を切り詰めてもマイナスになってしまう。だから多少は食費がかさんでも、車で暮せばギリギリ生きていけるらしい。

 

車のなかには卓上コンロがあって、簡単なものなら調理もできる。だけどキャンピングカーじゃないからね。身体を十分に伸ばして寝るのは無理。高齢になるとエコノミー症候群になっても不思議じゃない。先ほどの92歳の女性はそんな生活がたたって命を落としたのだろう。

 

インタビューに答えていたこの男性の言葉が切ない。車を手放せないのは家賃の問題だけじゃない。奥さんを亡くして途方に暮れた。そんなときその車で何度もドライブしたことを思い出したそう。だから思い出深い車を、どうしても手放すことができずに車上生活者となった。なんかたまらんよなぁ。

 

格差社会と呼ばれるようになって久しいけれど、日本の貧困問題も複雑化している。抜本的な変化が起きない限り、こうした傾向は続くんだろうね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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