Sに始まりSに終わる1年かも
久しぶりに超不思議な明晰夢を見た。若い外国人の男性が登場してきたんだけれど、なんとなくレギュラーでこれからも会いそうな予感がする。
くわしくは明日の夕方のブログで書こうと思っている。とにかくボクたち人間は、いまの現実世界だけで生きているのではないということ。明瞭に自覚しているいまの世界だけでなく、記憶にない、あるいは無自覚な意識世界の影響を大きく受けている。
この物語を書いた作家も、きっとボクと同じことを考えているんだと思う。そう断言できる小説を読んだ。
『不眠症』上巻 スティーブン・キング著という小説。
とにかく長い小説。かなり小さなフォントで、かつ文庫本で700ページ近くもある。昨年末から読み始めて5日経ったのに読み終わらない。結局、年をまたいで今日になって読了した。それでまだ上巻なんだからね〜www
この小説の舞台はメイン州のデリー。昨年末に公開された『IT』というスティーブン・キング原作の映画を観た人なら、聞き覚えのある街の名前だろう。著者が作った架空の街なんだけれど、彼の小説には何度も登場する。
『ドリーム・キャッチャー』がそうだし、『11/22/63』という小説でもデリーが出てきて『IT』の主人公たちがカメオ出演している。そしてこの小説でも、『IT』で主要人物のひとりだったマイク・ハンロンという黒人の図書館長がチョイ役で登場している。
ただしこの物語は『IT』による2度目の事件が終わったあとの物語。だからペニーワイズという悪魔のピエロは出てこない。しかしどうもこのデリーは魔界の扉が開きっぱなしらしい。上巻では全貌が見えないけれど、かなりヤバいやつが徘徊している。
主人公はラルフという70歳の老人。妻を病気で亡くしたころから眠れなくなった。症状はひどくなる一方で、長くでも2〜3時間ほどしか眠れない。そのうえ幻覚まで見るようになった。ただし医者には行く気がない。なぜなら妻の病気は担当医の誤診が原因だったから。
最初は自分がおかしくなったかと思ったラルフは、必死になって幻覚を見ていることを隠す。人間のオーラが見えるようになり、その色によって相手の心のなかや行動がわかるようになった。さらに人間や動物の頭部からひものようなものが伸びて、それが風船のように頭上高くに浮いているのを発見する。
やがてこの世とちがう次元に住む存在(ラルフはチビでハゲの医者と呼んでいる)が、ハサミや手術用のメスを持ってそのひもを切るのを目撃する。そうするとその人間や動物は死んでしまう。外傷がないので、死因は心疾患等としかわからない。
ラルフは自分が見ているのは幻覚ではなく、普通の人間が知覚できない世界だということを知る。そして同じ症状を持つ人間が、このデリーには存在していることがわかった。そのひとりはラルフの命を狙おうとするエドという若い男。そしてもうひとりは、ラルフと恋仲になりそうなロイスという68歳の女性。
エドはラルフに警告する。これ以上その世界に関わるな、と。だけどラルフはチビでハゲの医者が、野良犬の命のひもを切ろうとしているのを止める。そのことによって異次元の存在のターゲットになってしまう。
上巻ではここまで。ただラルフとロイスは、オーラを使って異次元の存在をやっつける方法のヒントはつかんでいる。下巻がどのような展開になっていくのか、いまのところはまったくわからない。
ただ恐ろしいのは、エドの口から『クリムゾンキング』という言葉が出たこと、これは『ダークタワー』シリーズで登場した、異世界に存在する最強の悪役。『IT』のペニーワイズは、このクリムゾンキングの手下のような存在。
さらに命をつなぐ風船というのが、『IT』のペニーワイズを連想させる。「一緒に浮かばないか?」というペニーワイズのセリフを思い出した。下巻がどうなるのかワクワクしてきた。
スティーブン・キングの全作品読破を目指しているが、まだまだ先は長い。今年もSに始まり、Sに終わる1年になりそうだなぁ。
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