Twitterの改善、それとも改悪?
どちらも人のためであるのに、相反する主張によって困惑させれらることがある。わかりやすいのが警察と消防。
自宅の防犯を考えたら、警察としては外から人が侵入できない構造にして欲しい。でも万が一の火災における消火や人の救出を考えると、消防は外部から侵入しやすい構造を推奨する。あちらを立てればこちらが立たず、ということになってしまう。
Twitterがリプライに対する改善を検討している。その理由は誹謗中傷による被害から投稿者を守るため。そういう意味では改善を意図しているのだろうけれど、先ほどの例のように立場を変えると改悪に思えてしまう。
Twitter、リプライできる人の制限オプションを追加へ。フォロー / メンション相手のみ参加可など
まだ予告の段階なので、最終的にどうなるかわからない。でも時代の流れとしては導入されそうな気がする。その改善とは、投稿したツイートに対してリプライできる対象を投稿者が選べるというもの。具体的には以下の4つのパターン予定されている。
グローバル:従来どおり誰でも。
グループ:ツイート主がフォロー中のアカウント、およびそのツイート内でメンションしたアカウントのみ。
パネル:ツイート内でメンションしたアカウントのみ。
ステートメント: 誰も返信不可。
これだけ見ていると、アリかなと思えてくる。宣伝効果を求める人はグローバルを選択すればいいし、反応されるのが嫌な人はステートメントを選べばいい。誹謗中傷によって自殺している韓国の芸能人たちのような人を救えるかもしれない。
だけど立場を変えたら、悪用することも可能になる。例えばアメリカのトランプ大統領のようにTwitterのヘビーユーザーなら、グループを選択する可能性が高い。自分の政策に対して賛同する人だけの意見をリプ欄に表示させることができてしまう。
でもITリテラシーの低い人なら、反対意見の存在しないリプライが世論を代表していると誤解してしまうだろう。印象操作に利用されるという心配がある。
さらにあえてガセネタを投稿する人にも有利に作用する。人を不安におとしいれるような投稿や、科学的根拠にもとづかない民間療法的な医療情報が垂れ流しになってしまう。
現状ならそれがガセであるとか、根拠のないものだという反対のリプライが投稿される。でもリプライ相手を選択できるようになれば、そうした反対意見を封殺してしまえる。これはかなり大きな問題だと思う。
Twitterの自由性を確保するならば、誹謗中傷や炎上は避けられない。でもリプライに制限をかけると、偏向した投稿が放置されてしまう。冤罪的な投稿を他人にされても、自分がリプライの対象になっていなければ、それが無実であることを投稿を見ている人に知ってもらえない。
とても難しい問題だよね。クソリプを送る人を罰するのではなく、被害者の逃げ場を作っているだけの機能変更になっている。これが改善なのか、それとも改悪なのか。いまのところ、なんとも言えないなぁ。
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