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高羽そらさんインタビュー

できない理由は『慣れ』だった

習うより慣れろ、という名言がある。自分の経験上からも、学びの本質を表している言葉だと思う。

 

だけどそこにはちょっとした落とし穴がある。それは『慣れ』というもの。『慣れ』は人間の感覚を麻痺させ、変化を拒む要因になりやすい。

 

ある記事を読んで、そのことを痛感させられた。

 

ロンドン・パリ100%、ソウル49%、東京5%…。なぜ日本では”無電柱化”が進まないのか?

 

街の景観を向上させるため、電柱の撤去が急務だと言われている。タイトルにもあるように世界の無電柱化はかなり進んでいる。ロンドン、パリ、シンガーポール、香港は100%、台北96%、ソウル49%、ジャカルタ36%なのに、東京はたったの5%でしかない。

 

無電柱化はメリットが目白押し。とにかく災害に強い。台風の多い日本における停電理由は、そのほとんどが電柱の倒壊。そのうえ倒れた電柱が家屋を破壊する。

 

まもなく発生から25年を迎える阪神・淡路大震災でも、通信線の地中線の被害率は架空線の80分の1で、電力線でも2分の1だったそう。交通事故における死亡事故の多くは電柱に激突することによるものらしい。

 

さらに観光地において無電柱化を実施した結果、大幅に観光客が増えている。ボクが20年ほど前に働いていた京都の祇園町でも、そのころから花見小路通りの無電柱化の話し合いを重ねていた。ボクの職場、地元の協議会、そして京都市を巻き込んでの会議が続いた。

 

退職後に無電柱化が実施されたけれど、その結果は明らか。インバウンドの人たちの影響もあるけれど、観光客を制限しなければいけないほど多くの人が押し寄せている。とにかく無電柱化にメリットが多い。

 

なのになぜ日本では無電柱化が進まないのか? その理由としてコストが高いということはある。この記事に興味深い試算が出ている。日本中にあるすべての電柱(約3500万本)地中化するのは396兆円かかり、その工期は5698年とのこと。アハハ、笑うしかないよね〜www

 

でもそれ以上に無電柱化を阻んでいるものがある。それが最初に書いた『慣れ』らしい。

 

外国では電柱そのものが景観を阻害するものとして認識がある。だから撤去することが基本だし、新たに立てるなんていう発想が存在しない。だけど日本の場合、戦後の復興を急ぐあまりに、比較的低コストの低い電柱によって電気のインフラ整備を行った。

 

あくまでも一時的なものだったけれど、人間は『慣れる』生き物でもある。だから電柱の風景が日本の文化に溶け込んでしまい、撤去しようというモチベーションを喚起しないらしい。そう言われたら、たしかに否定できないよなぁ。

 

だから政府も電力会社も二の足を踏んでしまう。コストのかかることを避けようとする。それは『慣れ』が幅を利かしているからだろう。

 

このリンク先の記事には後編がある。後編ではつくば市の職員が特定地域の無電柱化を成功させた実例が紹介されている。その苦労はかなりのものだったけれど、その人がそこまでやる理由に納得がいった。

 

なぜならつくば市はもともと無電柱化のモデル地域があったそう。それで電柱がないことに『慣れ』ていたせいで、新しい電柱が立つのを見ると違和感を覚えたのだろう。とても面白い記事だった。

 

ボクたちも自分の周囲を見直すべきかも。もしかしたら『慣れ』によって麻痺していることがあるかもしれない。その古くて固まった『慣れ』から自分を解放してあげることで、新しい世界が見えてくるかかもしれないね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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