睡眠中に脳は水洗いされてた
まだまだ睡眠には謎が多い。なぜ動物は眠るのかということも含めて、単なる休息だけではないことが指摘されている。
先日紹介した画家のダリも著作で述べていたが、優れた作品を残す条件として充実した睡眠をあげていた。ボクも寝不足になると、極端にパフォーマンスが落ちる。だからできるだけ上質の睡眠が取れるように意識している。
そんな睡眠の機能について、驚くような実験結果が発表された。
睡眠中には脳内から“毒素”が洗い流される：米研究チームがメカニズムを解明、アルツハイマー病の治療に光
アルツハイマー病の原因として、βアミロイドという毒素があるそう。どのようにその毒素が生成されるのか、そしてどんな作用を起こすのかはこのリンク先の記事ではわからない。とにかく必要のないものであることはわかる。
そのβアミロイドを、人間は睡眠中に脳内で洗い流していることがわかった。その仕組みがなかなか面白い。水洗いが起きるのは夢を見ないノンレム睡眠中とのこと。おそらく脳をシャットダウンさせなければ働かない機能なんだろう。
人間の脳は大量に酸素を消費する。ところがノンレム睡眠に入るとすべてのニューロンが同期する。そしてオンオフのリズムを合わせるらしい。ノンレム睡眠に入ると、同期したニューロンが一斉に休憩する。
ニューロンが一時的に発火をやめることで、脳における酸素の消費が激減する。つまり脳の血流が少なくなるということ。すると面白いことが起きる。
血流の減少という空白を埋めるかのように、脳脊髄液が大量に流れ込むことが確認された。この記事ではその現象を『大波』と表現している。その大波が毒素であるβアミロイドを流してしまうらしい。
人間の機能ってすごいよね。睡眠は単なる休息ではなく、脳の洗浄タイムでもあるということ。でも睡眠を取らずに夜更かしをしていると、いつまでも脳内のニューロンが発火し続けることになる。そうなると脳を水洗いする時間が少なくなるわけだから、脳内に毒素をため込んでしまうよね。
この機能の発見によって、アルツハイマー病の治療に応用できる可能性があるとのこと。それだけでなく適切な睡眠の必要性を啓蒙する効果もあると思う。夢を見ないノンレム睡眠というのは、パソコンをシャットダウンしてハードのメンテナンスをするようなものなんだろう。
ある本で読んだけれど、夢を見るレム睡眠は記憶の定着が目的らしい。ノンレム睡眠で脳のハード部分を洗浄し、レム睡眠で脳のソフトをアップデートしているように思う。要するに人間が思っている以上に睡眠は大切だということ。
今夜も早めに布団へ入って、ぐっすりと眠ろう〜！
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