気持ちを立て直す方法
本が売れず、かつYouTuber等の動画全盛時代であるのに、小説を書くなんてことを始めてしまった。でも面白いからやめられない。
その代わりに厳しい現実を突きつけられることが多い。出版社でさえ経営がきびしい時代だから、商業路線に見合う小説でないと出版されない。何十年も前なら人気作家が稼ぎ出す利益によって、新しい作家を育てる余裕が出版社にもあった。いまでは夢のような話でしかない。
そうなるとどうにかして認めてもらえる作品を書くしかない。そしてそのためにモチベーションを高く保っていくことが必要になってくる。
それはつまり、同時に挫折する機会も増えるということ。何ヶ月もかけて書いた作品が、まったく無視されてしまうことなんて普通にある。結果につながらなくて、気持ちが折れてしまうことなんて数知れない。
だからボクにとって大切なのは、気持ちを切り替えて立て直す方法を身につけることだった。できるだけ迅速に、そして気持ちよく前に進みたい。そうしないと次の作品に集中できないから。
それほど落ち込んでいるときはキツい。心身ともにしんどい。
そこでボクは思った。しんどい、というその感覚をもったいないから利用しよう、と。そうしてボクが思い浮かべたのは自宅周辺の様子だった。
我が家のマンションは神戸らしく坂の上にある。最寄りのバス停を降りてから二段階にわたって急な登り坂が続く。今日も重い荷物を抱えて帰ってきた。最初の坂は距離はあるけれど、まだそれほど大したことはない。
自宅に近い二段目の坂がえげつない。遠目で見ると坂道が壁のように感じてくる。肉体的にも精神的にも、ゴールに近いときが一番しんどい。その感覚を、ボクは自分の気持ちの立て直しに応用している。
何かをやる限りゴールがある。そしてそのゴールは、いまの自分より高みにあるもの。つまり登り坂を歩くのと同じ。
しんどいときこそゴールに近づいているということ。上のレベルに到達しようとしているからしんどい。しんどいから、とそこで足を止めたら、絶対ゴールにたどりつけない。
そう考えるようになると、しんどいと感じることが大切に思えるようになった。そこから逃げようとしないで、いまの自分はゴールに向かっている途中だと思えるようになった。
定期的に坂道を歩いていると、筋肉も心肺機能も高まる。これとまったく同じことで、レベルアップした場所で活動するためには、技術も心も鍛える必要がある。そうしないとそのレベルで継続できないから。
ただしゴール設定を常にチェックすることは大切。無謀な冬山を登るようなことをしてはいけない。それはしんどいだけで終わらず、生死に関わってしまう。
しんどいときこそ、いまは坂道を登っていることをイメージする。そう思うことで、どうにか気持ちを立て直して前に進んできた。いつか目的地に達して、最高の気持ちでボクが登ってきた道を見たいから。そしてそのあとは、また次のゴールに向かって坂道を登る。だからこそ、人生は楽しいんだと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
『第1回令和小説大賞』にエントリーした小説を無料で読んでいただくことができます。くわしくはこちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする