認知症の一部は誤診だった
ネットが普及したことによって、知りたい情報が手に入りやすい。以前なら専門家しか知らなかったようなことでも、素人が知識として身につけることが可能になった。
だから病気の症状などに関して、つい素人判断を下してしまいがち。その前提で病院に駆け込むから、医師も先入観を植え付けられる。そのうえ診察した医師の知識がアップデートされていないと、その患者さんはさらに実情から剥離した治療を受けることになってしまう。
こんなことが本当に起きているらしい。それは認知症に対する診断。
これはかなり恐ろしい出来事。認知症ではないのにそうだと診断されたことで、結果として命を縮めている症例が増えているという記事。
ある高齢の女性が病院にやってきた。自分が認知症ではないかと疑っている。そのうえ万引きをしてしまうという異常な行動に走ってしまい、ただことではないと思って相談しにやってきた。
認知症のテストをしてみると、明らかにその症状が見られる。普通なら認知症という診断を下されてしまうだろう。だけどこの記事で紹介されている医師は、MRI等の検査を実施することで、認知症ではないと判断した。
『薬剤起因性老年症候群』というものがあるらしい。その女性はうつ病の治療を受けていて、ある薬を服用していた。それが原因で認知症と同じような症状が出たとのこと。この記事によると、この症候群は以下のような状態を示す。
『認知機能の低下(薬剤性認知障害)のほか、過鎮静(過度に鎮静化され寝たきりになるなど)や歩行困難などの運動機能低下、発語困難、興奮や激越(感情が激しくたかぶること)、幻覚、暴力、さまざまな神経・精神症状のほか、食欲不振や排尿障害といった副作用が表れる』
その元凶はベンゾジアゼピン系の睡眠薬とのこと。くわしくはわからないけれど、普通に処方されているものらしい。この医師の指示によってその薬をやめるだけで、女性の症状がピタリとおさまった。
若い世代にはそうした副作用が起きない。だけど高齢になると、この薬の成分が肝臓で分解されにくくなる。それで体内に蓄積されることで、認知症と同じような状態になってしまうらしい。
恐ろしいのは、この事実を知らない医師が多いということ。海外では問題視されていて、近年の医学会では常識になりつつある。だけど勉強を怠っている医師は症状を見ただけで認知症だと決めつけてしまう。それは病状を悪化させるだけで、結果として患者さんの命を奪っているそう。
こうした事実は、ボクのような世代は知っておくべきだね。年代的に薬に頼らなくてはいけないことが出てくるだろうけれど、基本的に薬品は『毒』だということを自覚しておくべき。それでも睡眠薬を処方してもらうような場合は、ベンゾジアゼピン系ではないかどうかをチェックしたほうがよさそうだね。
歳をとると、いろいろなことに気をつけないと怖いよなぁ。
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