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高羽そらさんインタビュー

アメリカ版『家政婦は見た!』

かなり前の日本のドラマで『家政婦は見た!』という作品があった。ボクはそのドラマの名前を知っている程度で見たことがない。ただ、家政婦というのは家庭の真実を目撃することが多いのはわかる。

 

それはアメリカでも同じで、家政婦の視点をテーマにした小説を読んだ。ただその家政婦は1960年代初めの黒人女性たち。それだけで、家政婦たちの見ている世界が想像できるだろう。

 

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『ヘルプ 心がつなぐストーリー』上巻 キャスリン・ストケット著という小説。

 

ボクがこのタイトルを知ったのはTSUTAYA。どんな映画なのかずっと気になっていた。だけどまだ観ていない。エマ・ストーンが主演しているのを知っているくらい。

 

だけどネットの投稿でこの映画が素晴らしいという記事を目にした。よし、それならと、映画を観る前に原作を読もうと思い、さっそく上下巻のうちの上巻を読んだ。

 

先ほど書いたように、人種差別を取り上げた物語。著者はミシシッピ州ジャクソンの生まれで、この小説の舞台も同じくジャクソン。おそらく著者の体験をもとにした物語だろうし、もしかしたら実話が混在しているかもしれない。

 

この物語全体に流れているのは、どこかほんわかとした日常の風景。だけどその雰囲気は見せかけで、当時の人種差別の実態がリアルに記されている。その差別が日常の生活に溶け込みすぎて、普通に読んでいると違和感を覚えない。だけど視点を置き換えると、その恐ろしさに気づくという構成になっている。

 

家政婦は英語で言えばハウスキーパーだろう。だけどこのジャクソンでは『ヘルプ』と呼ぶ。この街のことだけなのか、南部の人たちがそう呼んでいるのかわからない。とにかく『ヘルプ』といえば黒人の家政婦を指し、それは実質的に奴隷と同じ。

 

奴隷制度はとっくの昔に廃止されているけれど、この当時のミシシッピ州では人種分離政策が法律として存在していた。映画の『ヘアスプレー』と同じ時期で、あのボルチモアでも同じ状況だった。法律で人種の分離が認められていた時代だということ。

 

物語の語り手は、エイビリーンという50代のヘルプ、ミニーという30代のヘルプ、そしてスキーターという白人女性の3人。この3人の友情を通じて、人種差別の実態を描いた物語。

 

スキーターは独身で、文章を書いて生活することを願っている。その甲斐があって、ニューヨークの出版社にチャンスをもらえる。ヘルプの視点を通じて人種差別の実態を描くというスキーターの企画が認められた。

 

スキーターは他の白人とちがって、幼いころからヘルプを慕っている。自分を本当に愛して育ててくれたのが、両親ではなく当時のヘルプだと思っていたから。だから彼女たちの環境を少しでも変えるため、この企画を思いついた。

 

だけどどのヘルプも協力してくれない。自分たちが白人に対してどのような思いを抱いているかを話すことは、『死』を意味していたから。当時は公民権運動が激しいころで、キング牧師も存命だった時代。だから南部の白人たちは苛立っていて、いつ何が起きても不思議じゃないという状況だった。

 

だけどエイビリーンとミニーの二人はスキーターに協力することにした。二人ともこれ以上耐えられないほど辛い思いをしてきたから。上巻では、そのインタビューがようやくスタートしたばかり。

 

ボクは上巻を読んで、この物語が大好きになってしまった。この3人のキャラがそれぞれ素晴らしく、そして愛らしい。人間味にあふれていて、様々な感情を見せてくれる。もちろん辛い場面もあるけれど、彼女たちの交流を見ているだけでボクまで心がポカポカになってくる。

 

下巻がどのような展開になっていくかわからないけれど、近いうちに読みたいと思う。そしてそのあとは、この原作の映画を観よう。ボクの頭のなかのスキーターは、すでにエマ・ストーンになってしまっているけれどねwww

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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