高羽そらさんインタビュー

どこからが『死』なのか?

少し前になるけれど、衝撃的な小説を読んだ。読みながら登場人物に感情移入することで苦しみ、泣き叫びたい気分になった。そして多くのことを考えさせられた。

 

その作品が映画化されている。今日ようやく、その映画を観ることができた。

 

人魚の眠る家27

 

 

『人魚の眠る家』という2018年の日本映画。原作は東野圭吾さんで、この映画を主演した篠原涼子さんは、日本アカデミーの主演女優賞を受賞されている。原作を読んだあとに篠原さんが主演すると知って、ボクもこの役は彼女しかいないと感じていたのでうれしかった。

 

この写真でもわかるように、幼い子供にむけて包丁を突きつけている。それだけでも楽しい映画ではないことはわかるはず。だけど子供を持つ人には絶対に観て欲しい映画だと思う。

 

子供のいないボクでさえ感動で号泣するくらいだから。幼い子供と暮らしている人たちならなおさら。決して辛いだけの映画ではなく、ラストでは心温まる気持ちになれるので、怖がらずに観て欲しい。

 

篠原涼子さんが演じる薫子は二児の母親。ある夏のこと、祖母に連れられてプールに行った娘の瑞穂が水の事故にあって脳死判定されてしまう。祖母役の松坂慶子さんの演技を見ているだけで、気の毒でいたたまれない気持ちになった。孫を預かるリスクうんぬんという正論が言えなくなるほど辛い。

 

瑞穂の父親の和昌はIT企業の社長。一時は娘の脳死を受け入れようとしたが、妻の意見を聞き入れて医師の脳死判定を受けるのを拒否する。そして意識が戻ることを期待して、自宅で介護するようになる。

 

IT企業の社長なので、最新技術や研究者が近くにいる。和昌は星野という若い研究者が開発した装置によって、瑞穂の肉体を動かすことを試みた。横隔膜ペースメーカーで人工呼吸器が必要ない瑞穂の代謝をあげるため、脊髄に直接電気信号を送って肉体を自発的に動かすようにさせた。

 

それ以来、妻の薫子は豹変する。だって脳死状態の娘が自分で手足を動かすわけだから、生きていると確信する。そのうち口角の筋肉まで動かせるよようなプログラムを組むことで、笑顔を作ることもできるようになった。その段階になって夫の和昌も、妻のやっていることに狂気を見るようになった。

 

圧巻なのはラスト近くのシーン。周囲の人間が瑞穂は死んでいると言うのに、母親の薫子は認めようとしない。先程の写真のシーンは、そんな自分の娘に包丁を突きつけているところ。

 

もし世間が脳死だと判定するのなら、娘を殺しても殺人罪にならない。すでに死んでいるんだから。だけど娘の心臓を止めた自分が殺人罪になるなら、法律は娘が生きていたことを認めたことになる。娘の『生』を認定してもらえるなら喜んで刑務所に行く、と薫子が泣き叫ぶ凄まじいシーンだった。

 

この物語が訴えてくることは強烈。どこからが人間の『死』であるのかを、観ている人に問いかけてくる。

 

最終的に薫子が瑞穂の『死』をどの段階で受け入れたかを知りたい人は原作を読むか、この映画を観て欲しい。ボクは薫子の判断に感動したし、ボロボロと泣いてしまった。肉親の死を受け入れるというのは、こういうことなんだと思った。

 

そしてこの物語には最後に素敵なプレゼントが用意されている。原作で知っていたから驚かなかったけれど、最後まで映画を観た人はそれを体験できる。

 

篠原涼子さんだけでなく、和昌を演じた西島秀俊さん、そして星野を演じた坂口健太郎さんも最高だった。これほど原作のイメージどおりのキャストを組んだ映画は珍しいように思う。原作に負けないほど、親が抱く子供への愛がストレートに伝わってくる素晴らしい映画だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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