こんなタイトルを思いつきたい
大好きな映画とドラマを封印して、ひたすら新作小説の推敲に没頭している。ようやく2周目に突入した。
そしてもうひとつ悩んでいるのが新作のタイトル。ちょっと風変わりな物語なので、どのようなタイトルにするか悩んでいる。ここ数日はタイトルのことばかり考えているので、ボ〜としていたり独り言が増えていると思うwww
昨日ある本を読み終えて、こんなタイトルがいいなぁ、と嫉妬した作品がある。
『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』デイブ・エガーズ著という本。
いいタイトルだよね? 英語のタイトルを直訳したものだけれど、これだけでこの本を読みたくなる。そしてそのとおり、この本はアメリカでベストセラーとなっている。
デイブ・エガーズはアメリカでは有名な作家。ボクは『サークル』という作品を読んだとき、そのすごさにぶっ飛んだ。『サークル』はエマ・ワトソンの主演で映画化されていて、つい先日に映画も観た。
原作は読んでいないけれど、『かいじゅうたちのいるところ』という映画化作品も観ている。これもナイスなタイトルだよね。これと『サークル』は完全なフィクション。
だけど『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』という作品は小説ではない。著者も前書きに書いているとおり、そのほとんどが実話。それだけにメチャメチャ面白かったし、いろいろなことを考えさせられた。
実名を隠したり、一部の事実は脚色されているそう。まぁ内容を読めばわかるけれど、誰のことなのか特定されたらヤバいかもwww
著者はシカゴで生まれ育った。兄と姉、そして14歳も離れた弟がいる。デイブが21歳の大学生のとき、とてつもない不幸が襲いかかる。なんと両親がともにガンとなり、たった5週間のちがいで他界してしまった。まだ7歳の少年がいるというのに。
そこで姉が暮らしていたサンフランシスコに引っ越すため、デイブはシカゴの自宅を売却する。そして弟のトフと二人暮らしを始める。たまに姉のベスが子守をしてくれるけれど、ほとんどはデイブがトフの面倒をみた。
この二人の生活が、とにかく面白い。21歳男性の子育て日記のようでもあり、はちゃめちゃなドキュメントのようでもある。デイブの子育て生活をメインにして、彼と友人が創刊した『マイト』という雑誌のスタートから廃刊までが小説風に書かれている。
良くも悪くも、アメリカだよなぁという内容だった。とにかくデイブは心配性で、ベビシッターに弟を預けて女性とデートしていても、トフのことが心配で仕方ない。もしかしたら強盗に襲われているのでは、変態に犯されているのでは、とデート中も悩んでいる。
そんな兄弟の関係や、友人たちとのドラマがたっぷりと詰まっている、まさに奮闘記という内容。かなり分量の多い作品だけれど、飽きずに最後まで楽しむことができた。そしてラスト近くで、献体した母の遺骨を手にしたときの著者の行動にちょっとウルウルした。
この奮闘記こそが、ベストセラーを生み出した著者の原点なんだろう。そしてこの本を書いた20年ほど前でも、彼は弟と一緒に暮らしていたらしい。とても素敵な関係だよね。
あぁ、こんなタイトルを思いつかないかなぁ。
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