真の恐怖は突然やってくる
ついに東京オリンピックの延期が正式に決まった。いまの段階としては、1年程度の延期という曖昧な期日が適切だと思う。この先のウイルスの動向がわからないからね。
とにかくここ数ヶ月が正念場。一人ひとりができる限り協力することで、ウイルスを封じ込めていくしかない。密閉された場所を避け、大勢の人が集まる場所に出向くことなく、他人との物理的距離を意識していくしかない。
感染しないこと、そして他人に感染させないことに全力を注ぐべき時期だろう。
ただ日本はこれからいい季節。桜が咲き、ポカポカと浮かれ出したくなる陽気が続く。今日の神戸も、本当にいい天気。そのうえ感染者が増えているとはいえ、日本での死者は40人台。だったらそんなに気にしなくても大丈夫じゃない、という気落ちになる人が出てくると思う。
もちろんネガティブな情報ばかりを目にして、パニック的な行動を取るのも困る。可能なイベントであれば、再開することも考えるべき。だけどウイルスの蔓延が終息していないことを忘れてはいけない。ちょっとした油断によって、あっという間に状況が悪化する。
なんとなく浮かれ気分で気が緩みそうな人は、この記事を読むべし。そうすればシャキッと目が覚めるだろう。
この記事の著者は、イタリアのトリノの在住されている日本人のフリーライターさん。6000人近い死者を出しているイタリアにおいて、新型コロナウイルスがどのように拡散していったかをリアルに感じさせる記事だった。
日記形式になっていって、リンク先の記事の続編まで読むと、2月21日から3月22日までの著者の体験を知ることができる。2月の21日ころなんて、まだまだ平和そのものだった。日本の領事館から注意喚起のメールが入った程度、
著者は気にしつつも、予定していたスキーバカンスに家族で出かけている。街の雰囲気もいつもと同じ。ところが1日ごとに状況が悪化してくる。死者数が発表されるたびに、日常生活が崩壊し始める。
アジア人に対する差別はもちろん、やがてイタリアにおけるウイルス拡散の起点となった、北部の住人に対する人種を超えた差別も起きた。トリノを含めた北部の街の閉鎖日程が決まると、南部出身の人は一斉に北部地域を脱出した。
そのせいで一気に南部にまでウイルスが拡がってしまったらしい。とにかくこの記事を読めば、日常生活が一瞬で崩壊していく様子を実感できるはず。イタリア特有の事情もあるから、日本で同じことが起きるとはいえないだろう。
だけど真の恐怖というのは、想定外の速いスピードでやってくるのは普遍的な事実。十分に警戒態勢を取っている人にとっては、読む必要はない記事だろう。あえて恐怖を疑似体験することはない。
だけど春の陽気に浮かれて気持ちが緩みそうな人は、絶対に読むべき記事だと思う。
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