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高羽そらさんインタビュー

善悪の境界線が粉砕された

何が善で、何が悪か?

 

この命題ほど人類に問われ続けたきたものはないだろう。なぜならその境界線があまりにもあいまいだから。

 

まずは時代によって善悪の概念がちがう。これは歴史を勉強すればすぐにわかる。

 

そして人によって感じ方がちがう。ある人が良かれと思ってやった行為が、受けた人にとっては悪だと感じることもある。

 

さらに同じ行為でも意図によって印象が大きく変わる。人を殺すことが悪だとしよう。だけど正当防衛もあれば、戦争もある。日本の江戸時代などは、仇討ちが公的に認められていた。人を殺すことは悪なのがわかっていても、殺人を犯した人の事情によってはひとくくりにできない。

 

今日観た映画は、まさに善悪の概念を正面から問いかけてきた作品。ボクのなかに存在している善悪の境界線が、この映画によって吹っ飛ばされたような感覚が残っている。

 

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『ボーダー・ライン』(原題:Sicario)という2015年のアメリカ映画。このタイトルはアメリカとメキシコの国境を指しているだけでなく、善悪の境界線についても示唆しているんだと思う。ボクのイチオシ女優である、エミリー・ブラントが主演している。

 

エミリー演じるメイサーはFBI捜査官で、誘拐犯対応のスペシャリスト。ある人質事件を追っていて、無残に殺された大勢の人質たちを発見する。それはメキシコの麻薬カルテルが絡んだ犯罪。

 

あまりに悲惨な事件ゆえ、国防総省が主体となったチームが組まれる。実力が認められたメイサーはそのチームに加わる。そこで出会ったのが同じくスペシャリストとして雇われたアレハンドロ。

 

全体のストーリーしては、このチームが麻薬カルテルを壊滅させるというもの。それだけだとシンプルに感じるかもしれないけれど、この作戦にはあらゆる陰謀が絡んでいた。

 

まずはCIAが関与していて、国内で単独活動ができないからFBI捜査官のメイサーを利用した。さらにアレハンドルはコロンビア人の元検事で、メキシコの麻薬カルテルに妻と娘を惨殺されていた。つまりこの作戦に参加したのは復讐することが目的。

 

CIAの目的はメキシコの麻薬カルテルの壊滅ではなく、アレハンドルと提携したコロンビアの麻薬カルテルに支配させようというもの。悪を壊滅させるよりも、扱いやすい組織に活動させるほうが人命を救えると計算したから。このあたりから善悪の概念がグチャグチャになってくるwww

 

真相を公表しようとしたメイサーは、最終的にアレハンドルに脅されて口を閉じる。だから勧善懲悪の物語ではない。悪の存在を認めつつ、マシな組織を残し、かつアレハンドルの復讐を成就させるという作戦だった。

 

不思議なもので、アレハンドルの復讐シーンに共感してしまった。なぜなら彼の妻と娘がどれほど残酷な目にあったかを刷り込まれていたから。だから彼が自分の妻子を殺した男だけでなく、その妻も子供も殺したときには、ボクのなかの善悪の概念は保留状態となっていたように思う。

 

そんな不思議な体験ができる良作品だった。エミリー・ブラントはやっりすごい。彼女に感情移入することによって、かえって善悪の概念が混乱させられてしまった。

 

そしてアレハンドルを演じたベニチオ・デル・トロが、めちゃ渋くてカッコいい。この二人の熱演によってグレードアップした作品だと思う。ただしかなりエグいのでR15指定になっている。怖いのが苦手な人は無理かもね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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