ストン、とふに落ちる快感
世の中の出来事には、モヤモヤしたことが多い。自分勝手なやつがいたり、無駄なことが行われていたり、どうでもいいことを騒ぎ立てている人たちを見てるとモヤモヤする。
そして自分の周囲に起きることも、モヤモヤすることばかり。シャープマスクの第1回の抽選に外れたり、ウイルス騒ぎの真っ最中にマンションの大規模修繕だったり、短編小説を執筆中なのに長編になりそうで焦ったりしていると、やたらモヤモヤしてばかりwww
ただその一方で、ボクはどんなことも必然だと自覚している。モヤモヤしていることはその出来事の目的が見えていないだけで、いつかふに落ちることがあると信じている。あぁ、この結果のために起きたことなんだなぁ、とあとから感じたことは何度もある。
そんなときにストン、と落ちる快感は格別。だからモヤモヤだって捨てたもんじゃない。ある映画を観ていて最初はモヤモヤしていたんだけれど、エンディグで見事に落としてくれたことで、言葉にできない快感を味わうことができた。
『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』(原題:Bridget Jones: The Edge of Reason)という2004年のイギリス・アメリカ映画。
少し前に『ブリジット・ジョーンズの日記』という映画を初めて観て、意外に面白かったので続編にトライ。最初の作品と同じく、ブリジットはレネー・ゼルウィガー、恋人のマークはコリン・ファース、そしてチャラ男のダニエルはヒュー・グラントが演じている。
おバカな映画は相変わらず。バカバカしいと思いながらも、必死の演技につられて大笑いしてしまった。レネー・ゼルウィガーは普通にスリムな女性。なのにこの映画のためにあえて太っている。そういうモテない役だからね。素晴らしい役者魂だと思う。
前回の作品でマークと恋人になったブリジット。だけどマークはエリートの弁護士で、交際する人も上流社会の人たちばかり。自分が釣り合わないと感じているブリジットは、必死でマークに追いつこうとする。だけど失敗ばかり。
ブリジットのありのままを愛してくれたマークなのに、彼女は自分を偽って彼に合わそうとする。結局はボロが出るばかりで、二人は破局してしまう。その要因となったのは、マークの弁護士仲間のレベッカというスリムで美人な女性。なおかつ仕事はできるし上流階級の付き合いもできる。
いつもマークに寄り添っていて、ブリジットとのスキー旅行にもわざと同じ場所にやってくる。マークにお似合いなのはレベッカだとブリジットは思い、なおかつマークの浮気を疑うことで、彼女はマークのもとを去る決意をした。
そこからタイでのトラブル等があって、ひたすら笑い続ける展開になる。だけど自分と釣り合わない、あるいは恋人の浮気というありがちなパターンで進行していることに、ずっとモヤモヤしながら観ていた。だけどラストで、そのモヤモヤが一気にひっくり返される。
なんとレベッカのターゲットは、マークでなくブリジットだった。つまりレベッカは同性愛者で、ブリジットに一目惚れしていた。だからいつもマークにつきまとって、レベッカと一緒にいる時間を作ろうとしていたというオチ。
いや〜、これは完全にだまされた。そしてモヤモヤしていたことが、ストンと落ちることで爽快な気持ちになれる映画だった。だから映画としては、ボクはこの続編のほうが好き。こうなると2016年に公開された第3作目が気になるなぁ。
その前にレネー・ゼルウィガーがアカデミー主演女優賞を受賞した、『ジュディ 虹の彼方に』を先に観たい。ジュディ・ガーランドの伝記映画らしいけれど、おそらく素晴らしい演技を見せてくれると思う。
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