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高羽そらさんインタビュー

安楽死と殺人の分水嶺

ここ数日ぐっと気温が上がったので、思い切って衣替えを済ませた。

 

といってもミニマリストのボクなので、実質的にかかった時間は15分ほど。冬物を洗濯して乾くのを待っているほうがはるかに長いwww

 

衣替えの開始時期はいつも悩む。季節の変化というのは、はっきりとした区分がないから。だからあいまいな季節の境界線に対して、どこかで自分なりに線を引くしかない。今年の場合は、今日がその日だった。

 

衣替えくらいなら、自分勝手に線を引けばいい。だけどそれが許されないこともある。

 

昨日観た映画は、あることに関する境界線を、観ている人に問いかける作品だった。その線引きとは、安楽死と殺人の分水嶺について。

 

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『ブレイン・ゲーム』(原題:Solace)という2015年のアメリカ映画。主演はアンソニー・ホプキンスで、『羊たちの沈黙』のレクター博士を彷彿とせるキャラだった。だけどレクター博士のような犯罪者ではない。この映画で彼が演じるのは、予知能力を持つ医師のジョン。

 

連続殺人が起きる。犯人は特殊なメッセージを残していて、同一犯であることはわかる。だけど遺留品はないし、被害者の共通点も見つからない。捜査を担当していたFBI捜査官のジョーは、旧友のジョンに捜査の手助けを依頼する。ジョーはジョンの超能力を知っていたから。

 

だけどジョンは娘を白血病で失って以来、FBIの捜査に関わることをやめていた。今回も断るつもりだったけれど、捜査資料を見て手伝うことを決める。なぜなら連続殺人の犯人が自分と同じ予知能力を持つ人間だと直感したから。

 

ジョンの能力を使うことで、被害者の共通点がわかる。殺された3人は、いずれ病気で苦しみながら亡くなる人間たちだった。被害者のなかには、家族でさえその病気を知らなかったケースもあった。つまり犯人は予知能力で被害者がいずれ死ぬことを知っていた。

 

犯人の目的は被害者を安楽死させること。それが自分の予知能力を生かす方法だと思い込んでいた。もし犯人が殺害しなければ、被害者たちだけでなく家族までさらに苦しむことになっていた。そんなすべてを殺人によって救っていた。

 

そして犯人は予知能力によって、この事件に同じ能力を持つジョンが関わってくることも知っていた。重病人を殺すことに疲れた彼は、ジョンにあとを託したい。それが彼を事件に引き込んだ理由だった。

 

とまぁ、こんな雰囲気で物語が展開する。連続殺人犯の行動は安楽死なのか、それとも殺人なのか? サスペンスを組み込むことで、そのテーマを観る人に考えさせる作品だった。ボクとしてはかなり面白かった。アンソニー・ホプキンスが大好きだからかも。

 

ただ難点を言えば、犯人を演じたコリン・ファレルの使い方。後半に突然登場するという、物語としてはタブーの手法を監督は使っている。だけど映画の前半に彼を使えば、あの太い眉毛だけで犯人だとわかってしまうwww

 

それを避けるために後半まで引っ張ったのがマズかったなぁ。後出しジャンケンは、よほどうまく編集しないと興醒めしてしまう。この作品はその部分に関して、やってしまった感があった。犯人役をもっと無名の人にして、前半でさりげなく登場させておくべきだったなぁ。

 

ただしこの映画のオチはグッときた。犯人がやったことを殺人だと言い切ったジョン。そして超能力対決では、自分の頭部に銃弾を貫通させるという荒技で相手の予知能力の裏をかいた。だけどジョンは死んだ犯人の気持ちを誰よりも理解していた。

 

なぜなら白血病で苦しむ自分の娘を、医師としてひそかに安楽死させたのがジョンだったから。安楽死と殺人の分水嶺は、対象者が他人と家族ではちがうということ。このオチは、観ている人の心を最後にグサリと刺す効果があったように思う。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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