人間がデマを信じる理由
昨日読んだネットの記事が興味深かった。デマをネットで拡散するのは、圧倒的に高齢者が多いそう。これは世界的に共通しているらしい。
その理由がいくつか検証されていたけれど、結果としていまのところその理由がわからない。心理学や脳科学の研究が進めば、いつかわかるかも。
ただ高齢者に限らず、デマを真実だと思い込んでしまう人は多い。感情が先に立って、事実検証をする前に脊髄反射してしまうのかも。ボクだってデマに踊らされた経験は何度もある。冷静に考えたら嘘だとわかるのに、それを事実だと思い込んでいた。
どうや人間の脳は、その状態が普通らしい。
フィクションのパラドックス。人はなぜ作り話に魅了されるのか?
物語について書かれた記事なので、気になって読んだ。人はなぜ物語を好むのか、について書かれていたから。その理由は『フィクションのパラドックス』とのこと。記事から抜粋してみよう。
『私たちは作り話だったとしてもそれを迫真のものとして受け止める。そこに登場する人物がどこかで本当に生きており、その人物の身に起きたことを、本当にあったものとして感情移入することができる』
これを『フィクションのパラドックス』と呼ぶとのこと。つまり心のどこかでは嘘だとわかっているのに、登場人物が実在するように考えてしまうこと。小説を書く人ならわかると思う。作者にとって登場人物は、もはや生きている人間と同じ。
こうなる理由が面白い。『人間の脳は、現実と虚構を区別できない』から。
作り話だとわかっているのに、脳は事実として反応してしまう。ドラマや映画の出演者が、演じている役の人間と同じだと思われることが多い。ファンにすると自分のイメージと別の人間に見えることで、「あなたがこんな人だとは思いませんでした!」と俳優を責めることもよくある。
ドラマの登場人物がフィクションであることはわかっている。なのにその姿が真実だと感じてしまう。理性よりも感情が反応するので、自分でもわけがわからなくなっているんだろう。
若い人でさえ、脳は事実と虚構の区別がつかない。そうした反応をどうにか制御することで、事実誤認を防いでいるのだろう。もしかすると高齢者になると、それを制御するブレーキが効かないのかも。それでデマを拡散してしまう人が多いのかもしれないね。
それにしても人間の脳って面白いよね。嘘だとわかっていることを、事実だとして反応してしまう。その機能は、もしかすると人間にとって必要不可欠なものかもしれないよ。
なぜならボクたちが現実だと感じている『人生』というものが、実はすべて『虚構』かもしれないから。
映画の『マトリックス』のように知覚しているすべてがフィクションだとしたら、人間の脳が現実だと反応してくれないと面倒なことになるからね〜www
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