『コロナ太り』に覚える違和感
新型コロナウイルスによって、それまで耳慣れない言葉が日常的になってきた。
『テレワーク』、『PCR検査』、『緊急事態宣言』、『ロックダウン』というような言葉が普通に使用されている。『アベノマスク』なんて造語まで飛び出してきた。
そんななか、ボクが違和感を覚える言葉がある。それは『コロナ太り』というもの。どうやら全国的な傾向として認められているらしい。
「コロナ太り」57%が体重増加 専門家「生活習慣病のおそれ」
健康促進の取り組みを支援している会社が、アプリの利用者にアンケートしたものをまとめた記事。それによると、60パーセント近くの人が『コロナ太り』となっているそう。今年の1月と5月の体重を比べた結果。
『コロナ太り』という言葉を報道でも度々目にするので、おそらくこの数字は実態に近いものだと感じる。職場や学校に行かないだけでなく、休日でさえ自宅待機をしている人が多かった。それゆえ運動不足になりやすいからだろう。
体重の仕組みはとてもシンプル。摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太るし、逆ならやせる。それだけのこと。リンク先の記事に書かれているように、肥満になれば生活習慣病になってしまう可能性が高くなる。それは当たり前のことだよね。
ボクが『コロナ太り』という言葉に覚える違和感の理由は2つある。
ひとつはボクが『コロナ痩せ』していることwww
ボクの場合、基本的に生活様式が変化していない。強いて言えば、2日に1度だった買い物を4日に1度にした程度。もともと夜の外食はほぼないし、電車やバスに乗って住んでいる街を出るのも、月に1度あるかないか。
だけど4日に1度の外出で運動不足になってはいけないと思い、1日に1度は自宅で体操と筋トレをするようになった。そのせいかどうかわからないけれど、ここ2〜3ヶ月で少しずつ体重が減っている。だから『コロナ太り』という言葉に実感が持てない。
もうひとつの理由は、『コロナ太り』という言葉が持つ思いやりの欠如した雰囲気。
この言葉には、どうも安全地帯からのんきに世間をながめている空気感が抜けない。「テレワークで外出できないから、太っちゃってさ〜」と気楽にお腹をさすっている中年オヤジの姿が目に浮かんでしまう。
その一方で、自宅待機をしたくてもできない人が大勢いる。医療従事者、警察や消防関係、宅配のドライバー、スーパーの店員さん等、不安を覚えながら外出して働かざるを得ない人がいる。そしてその人たちのおかげで、ボクたちは日常生活を続けてこられた。
そんな人たちは、おそらく『コロナ太り』する余裕さえないだろう。むしろ疲労困憊して、やせている人のほうが多いのでは? その人たちのことを考えると、『コロナ太り』という言葉が限りなく空虚に思える。
ボクは言葉に関して過敏症なのかもしれない。深読みしすぎなのかも。だけど『コロナ太り』に関するニュースを見て、違和感を憶えない自分のほうがもっと嫌だなぁ。
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