天使、悪魔、吸血鬼に狼男まで
幕の内弁当は豪華で楽しいけれど、どうしても飽きやすい。それは『ウリ』がはっきりしていないからだと思う。
たとえば『生姜焼き弁当』だとか、『焼売弁当』のほうが『ウリ』をアピールできる。つまり熱烈なファンを得やすい。
これは映画でも同じで、あまり贅沢に詰め込みすぎると魅力が相殺されてしまう。そういう意味で、惜しいなぁという映画を観た。
『シャドウハンター』(原題: The Mortal Instruments: City of Bones)という2013年のアメリカ映画、日本公開は2014年とのこと。
わかりやすく説明すれば、『ハリーポッター』と『トワイライト』と『Xーメン』を足して割ったような映画。
主人公のクラリーは女子高生。彼女は記憶を封印されているけれど、実は悪魔と何千年もかけて戦ってきたシャドウハンターの血を引いている。つまり人間じゃない。
クラリーの記憶を封印したのは、母親のジョスリン。彼女はハンター仲間だったヴァレンタインの裏切りを知り、悪用されていた聖杯を隠してしまう。その聖杯を手に入れようとして、ヴァレンタインたちが母と娘に牙をむく。
つまりクラリーがハリーで、ヴァレンタインがヴォルデモートという雰囲気。そのうえ母親のジョスリンを助けていたのは狼男だったり、ヴァレンタインに手を貸しているのが吸血鬼だったり、魔女や魔法使いまで登場する。
つまり欲張りすぎて2時間という映画の尺では収まらない。さらにクラリーを演じていた女優さんの演技がイマイチだったので、映画としての完成度は低いように思う。
ただボクはこの世界観が気に入った。CGもよくできていて、テンポ感もいい。だからちっとも退屈せずに最後まで楽しめた。そのうえクラリーの母親であるジョスリンを演じたのはレナ・ヘディというイギリスの女優さん。
『スリーハンドレッド』という映画でファンになったので、久しぶりに彼女を見られてラッキーだった。だけど惜しいなぁ。設定が複雑で登場人物が多いので、映画でなくてドラマなら成功する作品だと感じた。
それで調べてみると、やはりキャストを変えてドラマ化されていた。うん、うん、それなら納得。ベストセラーになった小説が原作なので、作品そのものは絶対に面白いはず。映画というコンテンツに合わなかっただけだろう。
ということでさっそく原作を図書館で予約した。シリーズ化されているようなので、じっくりと楽しもうと思っている。
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