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高羽そらさんインタビュー

絶滅が好ましい場合もある

言葉は明確な意思を持っているので、ボクたちは影響を受けやすい。ポジティブな言葉にはパワーを感じ、ネガティブな言葉には暗い気分にさせられる。

 

『絶滅危惧種』という文字を目にしてどう思うだろう?

 

ほとんどの人は、人間の乱獲や自然破壊によって滅亡しつつある動植物を思い浮かべるはず。この時期に食べることの多いウナギなんかはそうだよね。

 

野生動物なども、そうした指定を受けている種がいくつもある。その原因の多くはボクたちがイメージするとおり、乱獲や自然破壊によって人間が生態系に影響を与えた結果だろう。それゆえ絶滅危惧種という文字を見るだけで、どことなくネガティブな空気を感じてしまう。

 

先日、新たな絶滅危惧種が発表された。それはマツタケ。

 

だけどマツタケが絶滅危惧種に指定された背景は、ボクたちがイメージしている理由とはまったくちがった。

 

マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから

 

マツタケが絶滅危惧種に指定されたという報道を目にしたとき、ボクはステレオタイプ的な反応をしてしまった。いまや高級食材となったマツタケを取りすぎたことで、人間は彼らを絶滅に追い詰めつつあるんだ、と。おそらくそう感じた人は多いだろう。

 

ところがリンク先の記事を読んで驚いた。記されていたのは、ボクが感じていたイメージと正反対のものだった。

 

そもそもマツタケが取り過ぎになることはないそう。土の上に顔を出すのはほんの一部なので、したくても乱獲できないらしい。だったらなぜマツタケは絶滅危惧種に指定されたのか?

 

それはタイトルにあるように、森が豊になったから。

 

ボクの父親が生前によく言っていたことがある。「マツタケなんて子供のころは嫌ほど取れて、また今日もマツタケを食べなあかんと思ってウンザリしたわ」という状態だったそう。

 

江戸時代から昭和の初めにかけて、日本人は森の木々を大量に伐採していた。建築資材だけでなく、その多くは薪等の燃料にするため。だから森の土地が痩せてしまって、植えることのできるのは痩せた土地でも育つ松しかなかったらしい。だからマツタケが昭和の初期までは好きだけ取れた。高級食材でもなかった。

 

だけど石油等の化石燃料が使われるようになり、木材を燃料にすることがなくなってきた。それゆえ森の富栄養化が進み、土地が豊になってきた。そうなると松を植える必要がなくなる。

 

そのうえマツタケの菌は、他の菌が存在するところでは負けてしまう。つまり森が豊かになればなるほど松の木は減り、マツタケは他の菌に追いやられてしまう。その結果として令和の時代になって、マツタケが絶滅危惧種に指定されたということ。

 

『絶滅危惧種』という言葉に踊らされてしまうと、人間による自然破壊というイメージが喚起される。だけど実態は自然が豊かになったことで、マツタケが減ってきたということ。どちらが人間にとって好ましいかは、考えるまでもないと思う。

 

そういう意味では、マツタケが絶滅危惧種に指定されたのは好ましいことなのだろう。実態を見ずに言葉が持つイメージに翻弄されていると、マスコミや権力者の印象操作にだまされてしまうかも。この時期を読んで、そんなことを感じてしまった。

 

ただマツタケ好きの人には、やはり悲しいニュースなんだろうね。でも食べなきゃ死ぬものでもないから、ボクとしては森が豊かになるほうがいいなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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