どんな事にも『いい面』を見たい
ボクが日々意識しているのは、どんな事にも、そしてどんな人にたいしても、『いい面』を見つけようとすること。見ようとすること。
誤解しないで欲しいのは、『悪い面』を見ないというわけじゃない。いい悪い、というのは主観的なものであり、相対的なもの。そしてそれは二元化して常に存在するので、どちらかを見れば、相反するもう一方は嫌でも意識する。
もし対象の『悪い面』を見る事に主眼をおいても、同時にそれは「いい面』に意識が向く。人間は無意識に相反するものをとらえようとするから。
どうせどちらの面にも気がつくのなら、まずは『いい面』から見る姿勢をキープするほうがいい。だってそのほうが楽しいし、先に「いい面』を意識することで、自分が『悪い面』と感じることに寛容になれる。だって所詮は、ボクという自我が勝手に判断していることなんだからねwww
だから人間関係だけでなく、映画を観るときも、小説を読むときも、対象にたいして『いい面』を見つけようと意識のレーダーを働かせる。そうするとどんな作品でも楽しめるし、結果として駄作だと思うものでも、どこが良くて、どこがダメなのか理解できる。それは自分が創作するうえで、とても貴重な学びになる。
久しぶりに駄作っぽい映画を観たけれど、それなりに楽しむことができた。なぜなら『いい面』を見つけようとしていたから。
『コード211』(原題:211 )という2018年のアメリカ映画。『211』というのはアメリカの警察で使われている暗号で、銀行強盗のことらしい。つまりこの映画は銀行強盗と戦う警察官の物語で、実際に起きた『ノースハリウッド銀行強盗事件』をモチーフにしているとのこと。
主人公の警察官がニコラス・ケイジで、かつ銀行強盗を扱った作品。これだけで期待したけれど、結果としてかなり突っ込みどころの多い作品だった。
ニコラス・ケイジが演じるマイクは、ベテランの制服警察官。相棒は娘婿のスティーブで、娘が妊娠したことを聞かされて喜ぶ。だけどマイクは妻を病気で亡くしてから娘との関係が冷え切っていた。
そんな二人は、ある日ケニーという高校生をパトカーの同乗させることになる。いじめを受けたケニーは、たまたま相手を殴ったところだけ見られてしまう。それで罰としてパトカーに同乗するという社会奉仕をさせられた。その矢先に銀行強盗に巻き込まれてしまう、という展開。
最初にダメなところを書いておこう。銀行強盗は中東で雇われていた傭兵で、雇い人に恨みを持っていてその金を奪おうとした。その結果としてアメリカの銀行を襲うという、どうにもお粗末なストーリー。そのうえ、わけのわからないインターポールの女性もからんでくるwww
つまり余計な部分が多くて、強盗たちの行動に必然性がなさすぎる。カフェに爆薬を仕掛けたりして計画が完璧なように見えつつも、結果としてグダグタのラストになっている。かなりアホな強盗たちだった。
この映画の救いは、ニコラス・ケイジを使ったこと。もし無名の俳優さんを使っていたらかなりヤバかったと思う。ただ良かったのは、映画のテンポ感がよかったこと。前半の中東のシーンでも、意味がないとはいえつかみとしてはよかった。
そして警察との撃ち合いのシーンは、かなり迫力があった。映画で使用された銃弾の数を比べたら、この手の作品ではトップ3に入るんじゃないかと思うほど撃ちまくっていた。なんかそれだけでも飽きずに、ちょっとドキドキしながら観ることができたかな。
もっといい脚本があれば、この映画を撮影したスタッフで、かなり素敵な映画ができそうな予感がする作品だった。惜しいなぁ。
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