行き過ぎた正義は悪になる
正しい思われることでも、それが行きすぎると弊害が出る。マスク警察や自粛警察がその代表。
陰陽五行思想というものがある。ボクの知識は浅いけれど、印象に残っている考え方がある。陰は極めることで正反対の陽となり、陽も限界を超えることで陰へと変容する。
つまり行き過ぎた正義は、悪となってしまう可能性があるということ。
そのことを思い出した映画を観た。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(原題:Batman v Superman: Dawn of Justice)という2016年のアメリカ映画。
ボクは基本的に『VSもの』の映画があまり好きじゃない。子供のころに『ゴジラ対モスラ』とか『ゴジラ対キングキドラ』という映画を観過ぎたせいかもしれないwww
だからバットマンとスーパーマンという2大ヒーローが戦う映画なんて、という気持ちがあってずっと避けていた。ところがたまたまチラッとダイジェストを見る機会があって、そのCGの凄さと映像の美しさに心が動かされた。
それで思い切って見たんだけれど、これは映画館で観ればよかったと後悔するほど、めちゃめちゃ面白い作品だった。バットマンもスーパーマンも、ボクは子供のころから馴染んでいる。テレビでも映画でも親しんできた。
だからその世界観にはなじんでいるけれど、それまでの感覚を一気に塗り替えられそうになるほど素晴らしい内容だった。
ストーリーはシンプル。スーパーマンもバットマンも、ある人物にはめられてしまう。バットマンであるブルース・ウェインは自分の会社のビルを破壊して社員を殺したのがスーパーマンだと思い込む。
スーパーマンであるクラーク・ケントも、自警団のように非合法な活動でバットマンが活動していることに怒りを感じている。結局二人は死闘を避けることができずに、映画の終盤近くでものすごいバトルを見せる。
最終的に陰謀に気づいて、二人は協力するんだけれどね。そしてワンダー・ウーマンまで登場することで、写真の3人がラスボスである化け物と決着をつけるという物語。2時間半ほどあるけれど、まったく時間を忘れて見入ってしまった。
バットマンを演じたベン・アフレックが最高だった。ボクのなかではそれまではクリスチャン・ベールのバットマンがベストだったけれど、ベン・アフレックのブルースも良かったなぁ。セレブ感はクリスチャンの勝ちだけれど、戦う男としてはベンの方がいいかも。
そしてクラーク・ケントを演じたヘンリー・カヴィルもいいね。『ミッション・インポッシブル フォールアウト』の悪役のイメージがあったけれど、こんなスーパーヒーローを演じられるとは思わなかった。
そして脇を支える俳優さんが最高。クラーク・ケントの恋人役を演じたエイミー・アダムスを筆頭に、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、ジェレミー・アイアンズという名優の素晴らしい演技を堪能できた。カメオ的な役で、ケヴィン・コスナーが出てきたときは驚いた。
忘れてはいけないのが、悪役を演じたジェシー・アイゼンバーグ。若手の企業経営者の役だから、『ソーシャル・ネットワーク』のザッカーバーグを演じた彼を思い出してしまう。だけどこの役はかなりぶっ飛んでいる。この映画を面白くしているのは、彼のキャラが際立っているからだと思う。
こうなると続編の『ジャスティス・リーグ』が観たくなってきた。ほぼ同じキャストで続編が完成しているらしい。スーパーマンは死んだことで終わっているけれど、きっと生き返るにちがいないwww
その前にこの作品の前作にあたる、『マン・オブ・スティール』を観ようかな。スーパーマン誕生の物語らしい。『VSもの』をバカにしちゃいけないよね。この映画を観て、ちょっと反省した。
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