高羽そら｜たかはそら（作家、小説家）オフィシャルブログ

新型コロナウイルスがなければ、昨日は東京オリンピックの開会式。そして今日は、大勢の人が会場やテレビでスポーツの祭典に注目していたはず。

そう思うと本当に寂しい。そのうえ京都の祇園祭や大阪の天神祭も、人が集まる華やかなイベントは中止されて神事だけがひそかに実施されている。

全国的に新規感染者が急増している。緊急事態宣言のころとちがって、いまは症状のない人もPCR検査をしている。それゆえ感染者数が増えているだけなので、マスコミの発表に惑わされず、感染率や重症者、そして死者数に意識を向けるべき。

三密を避け、人と近づくときはマスクを着用して、外出から戻ったらきちんと手洗いする。その基本をきちんと守っていれば、感染者の数字に過剰反応する必要はない。

だけど世界的な視点で見ると、かなり深刻なことになっている。特にアメリカや南米は、感染者の数も死者数も着実に増えている。こうなってくると、心配になるのが延期された東京オリンピック。ある記事を読んで、なんとも言えない切ない気持ちになってしまった。

東京五輪、2021年開催に疑問符　安全を確保できるか

オリンピックについて、アスリートの立場で書かれた記事。スポーツ選手にとって、４年に１度のオリンピックは最高の舞台。世界選手権と同じレベルで競技に参加しても、オリンピックというだけでまったくちがうはず。

それゆえトップレベルのアスリートたちはオリンピックに照準を合わせている。その努力たるや経験した人でないと理解できないほど、想像を絶する辛さだと思う。だからこそ東京オリンピックの延期は、多くのアスリートを失望させたはず。特に競技年齢の限界に挑戦しているような選手にとって、１年の延期は絶望的な気分になるだろう。

それでもどうにか気持ちを切り替えて、多くの選手が１年後の舞台を目指しているはず。でもどうだろう？　１年後に東京オリンピックはできる？

ボクはオリンピック反対派じゃない。経済効果や権力者の利権を批判することで、オリンピックそのものを否定する人がいる。それにかける費用を、福祉に使えという理屈。

でもボクはアスリートの立場を強く支持するので、４年に１度のオリンピックは継続していくべきだと思う。目標があるからこそ、選手は努力を重ね、限界を超える新しい記録が生まれ、感動のドラマが展開する。

だから是非とも１年後にはオリンピックを開催してほしい。でもその強い想いに反比例するかのように、ボクの心では開催に対する疑問が増しつつある。正直にいって、無理じゃないかと思う。

新型コロナに関するいまのアメリカの状況で、選手を日本へ派遣できるだろうか？　そして行きたいと思う選手がいるだろうか？

おそらく来春にはワクチンができると思う。だけどいまから１年後に完全収束しているとは思えない。それゆえ外国への行き来の規制が継続されているような気がする。そんな状況でオリンピックが通常どおりに開催できるとは思えない。

経済効果やこれまでの投資回収を考えれば、日本としてはなんとしても開催したいだろう。そのためにギリギリまで判断を保留するだろうと思う。

でもそれはアスリートたちにとって地獄の日々でしかない。開催されるかどうかわからないオリンピックに備えて、トレーニングを続けていかなければいけない。そんな状態でモチベーションを維持するのは難しいと思う。

ボクの願いとしては、開催の是非についてはできるだけ早く結論を出してほしい。答えがどちらであっても、明確でない状況が続けば続くほど、アスリートたちを苦しめることになる。辛いだろうけれど、日本は勇気ある英断が求められてると思う。

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